「中田翔は見世物か」こんな批判の声が日本ハムを襲っている。テレビ番組の扱いがプロ野球選手ではなく、安物タレント並みだからである。
「それは事実です。球団もさすがにセーブしたいらしいのだが、テレビ局からの取材申し込みを断れないのが実情。数年前まで万年Bクラスで、ろくに取材もしてもらえなかった悲哀を味わっているから、無下に断れないのが実情のようです」(担当記者)
人気チームの巨人や阪神では新人に群がるマスコミをうまくさばく術を心得ている。当の本人もメディアにお愛想などしていられない緊張感がある。
キャンプ当初はおとなしくグラウンドのバッティング練習の中田翔を追っていたテレビ局も慣れだすと、いろいろと注文を出し始め、番組の出し物に使い始めた。
「あるキー局が発泡スチロールを10枚セットして、中田が何枚打ち抜けるかというオアソビをやった。実績ゼロの高校生ルーキーなのに、まるでスーパースター並みの扱い。OBの評論家も一緒になって遊んでいるのだから、今のプロ野球界はまるで幼稚園」(大物評論家)
球界関係者がこんな不快感を示しているのも事実である。
「キャンプでそんなオアソビ番組に協力して、もし故障に結びつくような事態が起きたらだれが責任を取るのか。どっちにしても損をするのは中田本人。大リーグではもちろん、他の球団でも考えられないことですね」(大リーグ通)
球界の重鎮が苦言を呈する。
「グラウンドで実績を残してから周りがスターと認める。公式戦の打席に一度も立っていないルーキー選手がなぜスター扱いされるのか。この状態では中田はスターに絶対なれない。球団も考え直してテレビ局に対応しないとダメだ。もし中田をチームの看板スターに育てたいのなら冷静になった方がいい」
テレビ報道の常で、騒ぐだけ騒いで打てなければ手のひら返しをすぐやる。視聴率につながらないとなったら、さっと引き上げてしまう。過去、多くのルーキーがそういう目に遭って「大人の世界は怖い」と反省しているが、そのときはチーム内でも相手にされず、いつの間にかファームからクビの道をたどる。
「打撃はまずまず。守備と走塁は三流」というのが日本ハム首脳陣の中田翔の評価である。「使い道に困っている」(担当記者)のが実情だ。
キャンプも日にちが経つと、中田翔の売りがなくなってくる。そこでと突然ピッチングをやらせ、メディアのご機嫌をとっている有様。球団も首脳陣も手詰まり状態といっていい。
「オープン戦に入り本番モードになると、中田の出番は少なくなってくるのは目に見えている。そうなるとテレビは知らんぷりすることになるだろう。それまで“ヨイショ漬け”になっていた中田は天国から地獄を味わう。それで球も飛ばなくなるというわけです」(OB評論家)
テレビ出演協力費の小遣い稼ぎで喜んでいたらエラい目に遭う。