「かつては視聴率15%を超えないと『勝ち組』とは呼べなかったが、最近は13%にハードルが下がった。その基準で行くと、4月スタートのドラマで超えたのは『遺留捜査』(テレビ朝日系)、『BOSS』(フジテレビ系)、『JIN-仁-』(TBS系)、『マルモのおきて』(フジテレビ系)のわずか4本しかなかった」(テレビ誌記者)
このうち、「JIN」と「マルモ」は同じ日曜午後9時から放送され、初回こそ「JIN」の23.7%に対し「マルモ」が11.6%のほぼダブルスコアだったが、「マルモ」は主演の天才子役・芦田愛菜が歌うエンディングテーマ「マル・マル・モリ・モリ!」の人気も相乗効果となって徐々に追い上げ、18日の放送では「JIN」の21.2%に対し「マルモ」は17.2%。「25日の放送で最終回を迎える『JIN』はこのところ連日1話から再放送して煽っているから、なんとか『マルモ』を振り切りそう」(同)というが、「マルモ」も負けていない。
「あえて、最終回を『JIN』の翌週にずらしたようで、視聴率20%超えも期待されている。とはいえ、よく考えると、あまりストーリー性がなく、ドラマ界で視聴率獲得の“武器”と言われる子供と動物に頼りっきり」(芸能記者)
「BOSS」は前作が好評で続編の放送となったが、「コメディ路線に走りすぎているのでは? 天海祐希、竹野内豊は同じ事務所だが、今作でまたまた同じ事務所の成海璃子をレギュラーに入れたのは少しやり過ぎだった」(芸能プロ関係者)
業界内での評価がかなり高いのが「遺留捜査」だ。
「マンガや小説の原作に頼りっきりのドラマが多い中、オリジナル脚本で勝負。『相棒』など刑事ドラマの本領が発揮され、上川隆也の高い演技力が光った。さほど期待度が高くなかったにもかかわらず、第10話までのうち9話で13%超え。4月スタートドラマのMVPだろう」(ドラマ制作関係者)
「遺留捜査」のようなドラマをよそに、それなりのキャストをそれ、番宣に励んでも数字が上がらないドラマが実に多かったのも今期の特徴だった。
(『負け組』編 へ続く)