search
とじる
トップ > スポーツ > 丸選手喪失の反撃へ!カープは転んでもタダでは起きない、人的補償は“あのベテラン”狙い?

丸選手喪失の反撃へ!カープは転んでもタダでは起きない、人的補償は“あのベテラン”狙い?

pic pic

丸佳浩

 本当の勝者は、広島東洋カープなのかもしれない。

 フリーエージェント宣言した丸佳浩外野手(29)が巨人入りし、喪失した側の広島は人的補償の人選に入った。鈴木清明球団本部長などがメディアに明かした限りでは「年越し」もあり得るという。言い換えれば、広島が「ほしい」と思う選手が見当たらないのだろう。同じく、FA宣言した炭谷銀仁朗捕手(31)の慰留に失敗した埼玉西武だが、すでに左腕・内海哲也(36)を引き抜いたのは、既報通り。チームの精神的支柱であるベテランの一本釣りに、巨人選手たちの動揺は激しかったが、広島もすでに心理的な揺さぶりを続けていた。

 「広島側から巨人の球団事務所に連絡が入っていました。対応したのは、石井一夫球団社長です」(球団関係者)
 石井球団社長は編成本部長も兼任している。チーム補強のトップである。社長自らが対応したことからも分かるように、連絡してきた広島側の人物もかなり大物だった。

 「松田(元=67)オーナーですよ」
 組織のトップ、オーナーの電話となれば、球団社長が対応したのも当然である。先の関係者によれば、松田オーナーは挨拶のあと、こう切り出したそうだ。

 「阿部(慎之助=39)とか、ベテランを外していないでしょうね?」
 その言葉通りに受け止めれば、西武同様、ベテランをプロテクト名簿から外していたら、「容赦なく、ウチも獲りに行きますよ」とクギを指したことになる。その反対で、若手選手がほしいから、正反対なことを言ったとも考えられる。石井社長ははっきりとは答えなかったが、この報告を受けた編成部のスタッフ、原辰徳監督(60)らはドキッとさせられたそうだ。

 松田オーナーからの電話があったのは、12月20日よりも前のこと。同11日、丸は巨人入りの会見を開いている。28人の巨人選手をプロテクトする名簿は広島サイドにも届いていた時期だと思われる。松田オーナーの名簿を見ていないような口ぶりが意味シンなだけに、巨人側がかなり動揺させられたのは間違いない。

 「13年、大竹寛がFAで巨人に移籍した際も、松田オーナーは電話をしてきました。『大田(泰示=28/現日本ハム)を(プロテクト名簿から)外してくれ』と言ってきました」(ベテラン記者)

 のちに、広島が投手の一岡竜司(27)を一本釣りし、今日のブルペン陣を支えている。大田は広島県の出身、野手がほしいとするニュアンスをいかにもホンネのように伝えておきながら、投手を一本釣りしたわけだ。松田オーナーはかなりの戦略家である。

 こういった前例もあるだけに、今回の「阿部ウンヌン」の電話は、丸を奪われたウップンを晴らす“報復の口撃”にもなったようだ。

 広島担当の取材記者がこう続ける。

 「鈴木本部長は『イースタン(二軍)の映像がそうあるわけではないし…』とこぼしていました。その言葉通りだと、やはり若手選手を巨人から引き抜こうとしていると思われます」

 若手狙いの鈴木本部長の発言が本当なら、松田オーナーは実に強かだ。また、西武球団の関係者によれば、内海指名を巨人側に正式報告する直前、広島球団に確認の電話を入れたという。FAのルールでは、人的補償の選手が重複した場合、同一リーグに優先権がある。西武が広島に連絡したのは内海が重複しているかどうかを確認するためだが、広島は「問題ありません」(前出・球団関係者)と答えたそうだ。

 人的補償の返答期限は、締結から40日以内なので1月19日となる。年越し回答、それも期限ギリギリとなれば、自主トレ期間である。巨人のベテランは若手を引き連れて海外で自主トレを行うことが多い。海外から呼び戻されて「移籍通達」となれば、巨人選手の動揺はさらに大きくなる。

 FAの人的補償を巡って、当該球団はけっこう連絡を取り合っていることが分かった。それを禁じる文言はなかったが…。(スポーツライター・飯山満)

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ