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ヤクルト・雄平、来季は‟お払い箱”になる? 迫りくる世代交代、新天地を求めてFA行使もあるか

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 東京ヤクルトスワローズが投打の補強を目指しているという。最下位脱出ため、戦力補強は必要だが、「打」の補強はちょっとヘンなのだ。ヤクルトが熱視線を送っているとして、名前が報じられたのはソフトバンクの福田秀平外野手(30)だった。

 「福田は今オフのFA市場において、『リアル・ナンバー1』と言っていいでしょう。走攻守3拍子揃った左バッターで、今年はセカンドの守備もこなしてみせました。打率、本塁打の数字は決して高くありませんが、それは巨大戦力のソフトバンクにいるため、チャンスに恵まれなかっただけ」(プロ野球解説者)

 外野手で去就が注目されているFA選手は、最多安打4回の埼玉西武・秋山翔吾(31)。西武も必死に引き止めると思うが、権利行使すれば、大争奪戦となるだろう。マネーゲームには参加せず、“お手頃価格の好外野手”に着目したヤクルトの補強プランは決して間違っていない。

 だが、こうも考えられる。何のために今シーズンを犠牲にしたのか、と…。

 「代打、雄平」。早々に優勝争いから離脱した今季、小川淳司監督(62)は若手外野手も積極的に使い、来季以降に備えた。新人の中山翔太(23)、山崎晃太郎(26)、塩見泰隆(26)がそうである。

 ヤクルトの外野と言えば、一発のあるバレンティン(35)、ベテランの青木宣親(37)、坂口智隆(35)、そして、雄平(35)。実力派が揃っており、この中に割って入るのは、並大抵のことではない。しかし、彼らはベテランだ。「来季以降の将来」を考えた末、雄平を外し、山崎たちをスタメンで登用したのだ。

 「代打が手薄なんで…」

 雄平を外したことについて聞かれ、そう答えている。雄平に配慮し、そんな言い方をしたのだろう。

 「今季の雄平は打撃成績が落ち込みました。でも、バレンティンが故障でスタメンを外れた時は4番に入り、また、代打成功率は一時期、5割にも達しました」(スポーツ紙記者)

 今季通算打率は、打率2割7分3厘。昨季の3割1分8厘と比べると、たしかに成績は落としたが、「まだやれる」との声も多い。それなのに、外野手の福田を獲るとなると、雄平の出場機会は激減してしまう。実戦成績を積み上げた山崎たちも同様だ。何のために、若手外野手を起用したのか、今季の犠牲も「無」になってしまう。

 雄平のことで思い出されるのは、2009年の打者転向だ。ドライチ入団の左腕投手として期待されたものの、結果を残せなかった。高校時代から打撃センスも高かったが、プロ7年目のシーズンを終えての転向に「遅すぎる」と、当時のメディアは批判的な見方をしていた。しかし、ヤクルトは「待った」。2010年から2年間は一軍打席に立っていない。12年にようやく芽が出たが、その時の雄平は28歳。戦力になるまで、“10年”も待つなんて、異例中の異例だ。

 「打者として這い上がってきた雄平に、ファンは好感を抱いています。チームの象徴的な存在」(前出・同)

 外野手補強というオフの補強構想まで聞かされると、ヤクルトは全く別のチームになってしまうのでは? いや、雄平が新天地を求めて、FA行使するなんてことも考えられる。

 チームが最下位に転落すると、真っ先に肩を叩かれるのがベテランだ。元エース・館山、元4番・畠山も引退を表明した。FA権を取得したバレンティンの去就もどうなるか分からない。世代交代も大事だが、高津臣吾新監督にはベテランに相応しい「死に場所」を与えてやってほしい。そう思っているファンは少なくないはずだ。(スポーツライター・飯山満)

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