お笑いファン間ではかねてから、ボケの久保田和靖のおもしろさは折り紙つきだった。先輩のケンドーコバヤシから、「芸人としては100点。人間としては0点」と言われており、現在の村田秀亮が相方になるまでに、23人も替えている。それだけではない。なんと、逮捕・勾留歴があるのだ。
かつては、高校生時代から交際していた女性と結婚しており、地元の宮崎県から大阪へ移住した際も、2人は寄り添っていた。しかし、芸人収入だけで食っていけるはずはなく、元妻はガールズバーでアルバイト。久保田は、元妻の財布から数万円ずつ金を抜き取っていた。それがバレていて、ある日、帰宅したらパトカーが止まっていた。警官に強制的に乗せられ、久保田が「夫婦の問題だから降ろしてくれ!」と懇願すると、元妻は“どうぞ行ってください”というジェスチャーを見せた。
おさわりパブでアルバイトをしていたときは店長に上りつめて、月収60万円という安定収入を得ていた。だが、強引な客引きによって、私服警官に逮捕された。拘束中はクリップの袋詰め作業をしていて、出所したときに迎えに来てくれた村田に、2袋のクリップを手渡した。
ほかにも、兵庫県尼崎市にセックスフレンドがいた、銀座のホステスの愛犬を散歩して日銭稼ぎ、闇営業など、話題に事欠かない久保田。今春には、ジャニーズファンを巻き込んだ騒動を起こしていた。しかも相手は、元SMAPの肩書きになって間もない木村拓哉だ。
17年の年始はSMAP解散のほとぼりが冷めていなかったため、明石家さんまと木村による正月特番『さんタク』(フジテレビ系)が見送られた。そのため、オンエアが春にズレこみ、初のゴールデンタイム進出となった。このタイミングでやらかしたのが、久保田だ。4月10日深夜に更新したインスタラグムで、「フジテレビ『さんタク』」というキャプションで、さんま、木村との3ショットをアップしたのだ。同番組の一部コーナーに出演していたからだ。
ところが、所属タレントの肖像権に厳しいジャニーズは、公式サイトやCM、出演ドラマや映画といった特定のものを除き、ネット掲載は厳禁。雑誌表紙もシルエットに差し替えられることが、もはやマスコミの常識だ。そんなルールを知らなかった久保田は、自慢げに3ショットをあげたのだ。
ファンは興奮、芸能マスコミはヒヤヒヤ。その直後、“芸能界の闇の掟”を知ったのか、11日未明に画像は削除。その後、久保田、さんま、木村の口からこのことが語られることはなかったため、大きな騒動には発展しなかったと思われる。ローカルタレントの域を脱していなかった久保田にとっては、パンチがきいた学びになったことだろう。
これによって、クズ人間に”やらかし系芸人”の汚名まで加わってしまった久保田。だが、今回、M−1王者の冠を有したことによって、過去を清算できるかもしれない、か…。