2018年から本格的に中継ぎに転向した三嶋は、この年60試合に登板し、7勝2敗15ホールドの成績を残しチームに貢献。今シーズンは昨年を大きく上回り、セ・リーグ2位となる71試合に登板。5勝4敗23ホールドと大車輪の活躍を見せ、ベイスターズを2位まで押し上げる原動力となった。
三嶋はジャイアンツとの優勝争いについて「いい経験ができた」と振り返り、投げに投げた今シーズンを振り返り「疲れなんか関係ない。そんな状態だった。71回もマウンドに立てた。野球選手としてこんなに幸せなことはない」と胸を張った。
その背景には慢心があったという。三嶋は「(プロ入りして)最初は調子に乗っていた。大学で先発しプロでもそこそこ投げられた。大きく(自分の期待を)裏切ったりしたことのない野球人生だった」と告白。しかし、入団2年目の2014年、開幕投手を任されたが炎上。「それから3、4年くすぶっていた。それがあったからこその今の自分。一生忘れないように背負ってプレーしていきたい」と過去の経験を心に刻んでいると明かした。
今年は秋季キャンプには参加していない。オフの現在は「スポーツジムなどで身体を動かしている」が「11月中はノースロー」で肩を休める方向。3年連続して中継ぎで活躍するのは難しいとされているが「身体のメインテナンスやケアに重点を置き、尻まわりなどいくらでも鍛えられるところを、自重を利用してトレーニングしている」と、来季に向けた準備に時間を費やしている。
一時期は首位ジャイアンツに0.5ゲーム差まで迫ったベイスターズ。結果2位になり、本拠地・横浜スタジアムで念願のCSを開催できたが、ファイナルステージに進むことはできなかった。「今年の悔しい経験を糧に、(中継ぎ転向)3年目もぶつけていきたい」と闘志を見せた。
来年は「中継ぎの中心としてやっていくという自覚と責任感」を持って挑むと宣言した三嶋。来シーズンも決して逃げないスタイルで、チームとファンに勇気を届け続ける覚悟だ。
写真・取材・文 / 萩原孝弘