A:彼女の症状は、口唇ヘルペスと思われます。これは単純ヘルペスの一種で、唇やその周囲に水ぶくれや発疹ができ、かゆいし、いやな感じがするものです。潰瘍状態になり、痛みを感じることもあります。
昔から、俗に“風邪の華”とか“熱の華”と呼ばれ、大人の約7割が感染しているといわれます。
ただし、感染しても健康状態がよいときは問題ありません。ところが、風邪を引いたり、疲れたりしたときなどに症状が現れます。
つまり、免疫力が低下しているとウイルスが活動し、それによって発疹などができるのです。不快ですが、数日で自然に治癒に向かうでしょう。
●発疹ができているときはキスは避けよう
彼女はよく口唇ヘルペスができるそうですが、不規則な生活を送ってはいませんか。夜更かしが多い生活などで、免疫力が低下している可能性があります。あるいは、食生活がよくないのかもしれません。
彼女に口唇ヘルペスができているときは、キスは避けたほうがよいでしょう。なぜなら、うつるリスクがあるからです。
単純ヘルペスは、人から人へうつります。とくに、水疱が破れた状態や潰瘍ができている場合は、キスをしないほうが無難です。
また、単純ヘルペスはいったん感染すると消滅することはありません。人間の体を宿主として生存し続けます。
といっても、怖がる必要はありません。風邪を引いたときなど、ごくたまに症状が現れるだけです。
●免疫力を落とさない生活を
症状が出たら「疲れている。免疫力が低下している」というサインだと受け止めればよいでしょう。そんな風に彼女に伝えてください。
ただし、口唇ヘルペスを怖がっていると思われないよう、言い方には気をつけるべきです。彼女を傷つけないためにも、十分に注意してください。
ちなみに、単純ヘルペスには、性器に発疹などができる性器ヘルペスもあります。
性器ヘルペスに感染している人を相手にした場合、性器と口唇が接触するような行為によって、口唇に感染するリスクが発生します。
風俗などで遊ばない限り感染するリスクはありませんが、一応、知識として持っておきましょう。
渡辺秀司氏(とつかグリーン歯科医院院長、漢方歯科医学研究所所長)
独自の歯周病治療で名高い神奈川歯科大学卒。同大学研修医を経て、とつかグリーン歯科医院を開設。歯学博士。天然素材を配合したうがい薬や歯磨き剤を開発。漢方歯科医学研究所所長。