ついにハマの大砲が戻ってきた。
WBCで右太もも肉離れ発症し、リハビリを続けていた村田。当初の復帰予定は、5月中旬と思われていたが驚異の回復力で合流が早まった。
1軍に戻ってきた主砲は、リハビリ生活を「自分の中では長い1カ月だった」と振り返った。「自分の野球をやることを最優先したい」とこれまでのうっ憤を晴らすため、大暴れを誓う。
自身の“開幕”に向け、髪型もトレードマークであるサイドの刈り込みを解禁した。早くも鼻息の荒い村田だが無理もない。チームは15試合を消化し、本塁打4、得点36は断トツの最下位。両リーグ最速で10敗を喫している。それだけに、「早く借金を返したい」(村田)とはやる気持ちを抑えきれないようだ。
1日も早い村田の復帰を望んでいたのは言うまでもなくチームだ。WBCでも一緒に戦った戦友の内川聖一は「(村田が復帰したことで)相手チームが感じるプレッシャーも違うと思いますよ。チーム内の空気も変わってくるだろう。頼れます。(自分の負担も軽減されて)やりやすくなると思う」と語れば、大矢明彦監督も「4番が戻って柱が一本支えてくれる。チームも落ち着いてくるはず」と期待を寄せた。
だが、村田復帰の相乗効果はそれだけはない。駒田徳広打撃コーチは「相手が怖がる選手がいることで、若い選手を思い切って使っていくことができる。若い選手を育てながら使っていかないと」と明かした。
確かに横浜は昨季終了後、石井琢朗(現・広島)、鈴木尚典(現・湘南育成コーチ)らベテラン勢に戦力外通告するなどチームカラーを刷新している最中。
それだけに、村田が復帰することで昨年までのチーム力を保ちつつ、新戦力の育成をすることが可能になってくるのは好材料だ。
この日はノック、フリー打撃など練習で軽快な動きを見せた村田。悪天候で試合は中止となったが、「しょうがないです。下(グラウンド)が悪い状態で初日を迎えるより明日の方がいい」と気持ちを切り替えた。
2年連続本塁打王の早期復帰は、チームに大きな爆発力を生みそうだ。