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福田内閣の支持率低下止まらず

 福田康夫首相の内閣支持率1ケタ台が現実味を帯びてきた。各紙世論調査で支持率落下が止まらず、危険水域といわれる20%台に突入した。すべてはリーダーシップのなさが招いたもので、永田町では歴代内閣最低支持率を更新するのではないかという妙な期待感が高まっている。

 「福田首相はまだまだ踏ん張るおつもりのようだが、このへんで身を引かれたほうがいい。森喜朗氏や竹下登氏(故人)が首相在任中にマークした支持率1ケタ台の悪夢がよみがえってきている。これでは“憲政史上初の親子首相”が泣くというもの。最低記録を更新しかねない勢いだ」(永田町関係者)
 歴代の内閣支持率といっても各紙各様の調査方法で実施されるため、コレというはっきりした数字があるわけではない。しかし、共同通信が4〜5日に実施した電話世論調査で昨年9月の政権発足以来最低となる内閣支持率26.6%を記録。今月に入ってからの大手各紙世論調査では、産経23.8%を筆頭に、毎日24%、朝日25%、日経29%と軒並み20%台に下落した。読売では30.0%と辛うじて危険水域を回避しているが、もはや時間の問題といっていい。
 突発辞任でヒンシュクを買った安倍晋三前首相は参院選大敗で20%台を記録したが、あとを受けた福田政権は発足当初は60%近い高支持率だったから、その落ち込み方がいかにひどいかをあらためて実感させる。
 ここ十数年の政権でみると、低支持率で知られる森内閣は2001年2月の米原子力潜水艦なだしお事故対応時に、竹下内閣は1989年の退陣表明後に、それぞれ1ケタ台をたたき出している。それ以来となる1ケタ支持率達成(?)なるかに注目が集まっている。
 全国紙の政治部記者は「揮発油税の暫定税率にしても、日銀総裁人事にしても、首相に求められるリーダーシップを何ひとつ発揮できず時間切れを迎えてしまった。民主党・小沢一郎代表との党首討論で、ねじれ国会での政権運営の難しさを訴えるように“泣きを入れた”ことも国民にはシラける話だった。国民は強いリーダーを求めている。こうなったら支持率は下がるところまで下がるはず」と推測する。
 さらに問題なのは、この先の首相のスケジュールを見ても「支持率回復のファクターが見当たらない」(前出・記者)ことだ。
 今週末27日に投開票される衆院山口2区補選はGW後の政局を占う一戦と位置付けられているのに、自民党候補の応援に現地入りした福田首相は「人気取りでガソリン税を下げることばかり言う人を本当に信用していいのか?」と聴衆に投げっぱなし。揮発油税の暫定税率維持を盛り込んだ税制改正法案を衆院で再可決した後、反発を食らうのは必至の情勢だ。そのくせ、支持率低下の要因となった後期高齢者医療制度(長寿医療制度)についてはロクな説明もなかった。
 来月6日には中国の胡錦濤国家主席が来日するが、厳戒聖火リレーを招いたチベット弾圧問題から毒ギョーザ問題まで“親中派”が災いしそうな課題ばかり。さすがの福田首相も危機感を持ったのだろう。慌てて6月15日までの今国会閉会後にも大幅な内閣改造を断行する考えを示したが、時すでに遅しである。
 政権発足当初、福田首相は自ら「背水の陣内閣」と命名した。一歩も引かぬ覚悟は結構だが、といって何をどうしたわけでもない。偉大な父・赳夫氏の名を汚さぬためにも引き際ぐらいは見誤らないでほしいものだ。まあ無理か…。

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