●陸上防衛隊まおちゃん
02年7月から12月まで放送された本作は、このジャンルのはしりといってもいいアニメ。防衛隊幕僚長の孫である小学2年生「まおちゃん」こと鬼瓦まおが、学校生活の合間にドイツ軍のタイガー戦車っぽいメカ、みーくんと共に「かわいいエイリアン」と戦うという作品だ。ちなみにこの作品では大人たちはエイリアンがかわいいからという理由で戦意をくじかれ戦えないという設定になっている。ストーリーが進むと空の防衛を担当する築島みそら、海の防衛を担当する丸山シルヴィアが追加キャラとして登場する。ちなみに、某人気ロボットアニメを手がけた大御所監督が、「本来成立しないとんでもない組み合わせをやって、それを出資して作ってしまうことに狂が感じられる」とこの作品のありあえない設定に言及したことがあるとか。
●ストライクウィッチーズ
08年8月から放送された深夜アニメで、第二次大戦中に活躍したエースパイロットをモチーフに萌えキャラ化し、実在の戦闘機をモデルにしたストライカーユニットという兵器を両足にはき、異形の敵ネウロイと戦うというストーリー。本作は放送直前までの低評価をくつがえし、確かな軍事考察と、魅力あるキャラクター、さらにパンツ(この世界ではズボン)丸出しで戦う姿が話題となり、異例のヒットを記録した。10年8月にはアニメの第2シーズンが放送、12年4月には劇場版が制作された。ネットでは「エンジンや機関銃の音が実物からなので本格的」、「これほど見る前と見た後で評価が大きく変わるアニメはそうそうない」などの意見がある。
●うぽって
銃器が美少女キャラとして通う学園が舞台のアニメで、主役はベルギーFN社のアサルトライフル「FNC」を美少女キャラ化した「ふんこ」。ただの学園系のアニメではなく、所々銃火器に関する豆知識などが登場し、キャラを愛でながら、アサルトライフルの大まかな歴史とメカニズムがわかってしまう結構本格的な知識が聞けるアニメだった。日本以上に実際に銃火器の撃てる海外のオタクの間で話題となり、ネットではかなり専門的な話が交わされていた。
●ガールズ&パンツァー
戦車道という架空の武道を創設し、戦車と美少女キャラクターという普通はかみ合わない要素を融合させたアニメ。12年10月の放送直後から、その奇抜な設定と真剣に戦車道に取り組む少女たちの姿が話題となりヒット。作品に登場した戦車の模型が飛ぶように売れ、作品の舞台となった茨城県の大洗には多数のアニオタが詰めかけるという状態となった。評価としては、「戦車の動きの描写で引きこまれた」、「キャラクターの関係がいい」など、戦車の動きの演出、キャラクターの設定、どちらとも好評だった。
これらの作品のなかでも特に『ガールズ&パンツァー』、『ストライクウィッチーズ』は、それぞれ陸と空を代表する美少女キャラ系のミリタリーアニメということから、ネットでは“陸のガールズ&パンツァー”“空のストライクウィッチーズ”などといわれている。海を題材にした作品は今までなかったが、今年の10月からは、『蒼き鋼のアルペジオ』という、戦艦と美少女キャラが融合したアニメが、「艦これ」より先に放送が予定されいる。『蒼き鋼のアルペジオ』か「艦これ」、どちらかが海軍系のミリタリーアニメとしてて語られることはあるだろうか? 注目したい。(斎藤雅道)