鬼才・山田洋次を監督に迎え、吉永小百合をはじめとする豪華キャストの大作だ。「松竹としても120周年の記念映画。吉永さんに加えて二宮さんを起用している。反戦をテーマにした作品で、吉永さんもそうですが、二宮さんの演技はもちろん、黒木華さんもベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を獲得しただけのことはあります。見ごたえ十分ですし、映画業界的には評価の高い作品」(映画関係者)という。そうはいっても、この高評価がイコール興行収入に結びつくということではないのが映画界というもの。
「初週で3位、2週目で4位と好位置といえば好位置ですが、松竹としては物足りなさを感じていますね。興行収入としても10億円近くまではきているでしょうが、30億円は届かせたいというのが本音でしょう。吉永さんや二宮さんを引っ張り出している以上、そのあたりまで数字を伸ばさないといけないのが実情なんです」と同関係者。とはいえ、今の調子であれば「これから爆発的に伸びるということは難しい。ジリ貧になっていくのが通例」(同関係者)という。
ただ、30億円とはいかなくともそこそこの数字にはしないと出演タレントに面目が立たない。「今後の映画起用もありますからね。かといって、忙しい二宮さんを舞台あいさつに連発で引っ張り出すわけにもいかない。となると、帳尻を合わせのロングランですよね。本来、客が入らなければ1、2か月そこそこで打ち切るのがいまの映画界ですが、公開期間を伸ばして数字をあわせるというパターンです。そろそろその指令が出されるだろうとは言われていますけどね」と同関係者。
一発逆転の手でもあればいいのだが。