得意の打撃が開店休業状態のイチロー。強化試合などを含めた打率は、1割3分とスランプから抜け出せずにいる。なんとか不振を打開しようと2日連続の早出特打を敢行。調整不足を補うために躍起になっている。
合宿当初は「『疲れちった』ですね。ちゃったまではいかないですけど」「ザ・パフォーマンスですよ」など、“イチロー語録”を連発し、おどけて見せていた。だが、凡打の数に比例するかのようにその言葉数は少なくなっている。
練習の2日間で報道陣に発した言葉は、帰り際にテレビカメラに押され、倒れそうになった女性ディレクターにかけた「お気を付けて」の一言のみ。完全に貝になった。
冬眠状態のイチローと対照的なのが捕手の城島だ。強化試合では、打率4割1分7厘、3打点と大暴れ。好リードで投手陣を引っ張るとともに、バットでも援護射撃している。
調子がいいのはバットだけではない。1日に行われた巨人との強化試合で、9回に犠打を決めた場面を振り返り「作戦に関しては機密事項なんで言っちゃいけないんですけど、今日だけはいいって。サインでした」と笑いながら明かした。
城島の“暴露”はもう止まらない。3日の練習後も、5日の中国戦の先発が予定されているダルビッシュ有(日本ハム)の状態を「想像していた球と感覚は近くなっている」「球がしっくりきているのが、しぐさで分かる」などと明かした。
そればかりか、視察に訪れた韓国について問われると、「(対戦するのは)初めてのバッターばかりなので、(阿部)慎之助に聞いたりした。(4番は)あの身長、体重、スイングのキレだからね。どこへ投げるかイメージできている」とすでに攻略法をつかんでいることまで明らかにした。
野手陣のキーマン、イチローと城島。米大リーグでもチームメートの2人は、コンディションで明暗を分けている。