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WBC イチロー、城島明暗クッキリ

 第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕をあす5日に控えた日本代表に“異変”が生じている。代表合宿開始当初は、じょう舌だったイチロー(マリナーズ)が打率の下降とともにしゃべらなくなっている。対照的に強化試合で結果を残した城島健司(マリナーズ)は、侍ジャパンの機密事項を“暴露”するなど舌好調。連覇に向けたコンディション調整の明と暗が浮き彫りになった。

 得意の打撃が開店休業状態のイチロー。強化試合などを含めた打率は、1割3分とスランプから抜け出せずにいる。なんとか不振を打開しようと2日連続の早出特打を敢行。調整不足を補うために躍起になっている。
 合宿当初は「『疲れちった』ですね。ちゃったまではいかないですけど」「ザ・パフォーマンスですよ」など、“イチロー語録”を連発し、おどけて見せていた。だが、凡打の数に比例するかのようにその言葉数は少なくなっている。
 練習の2日間で報道陣に発した言葉は、帰り際にテレビカメラに押され、倒れそうになった女性ディレクターにかけた「お気を付けて」の一言のみ。完全に貝になった。

 冬眠状態のイチローと対照的なのが捕手の城島だ。強化試合では、打率4割1分7厘、3打点と大暴れ。好リードで投手陣を引っ張るとともに、バットでも援護射撃している。
 調子がいいのはバットだけではない。1日に行われた巨人との強化試合で、9回に犠打を決めた場面を振り返り「作戦に関しては機密事項なんで言っちゃいけないんですけど、今日だけはいいって。サインでした」と笑いながら明かした。
 城島の“暴露”はもう止まらない。3日の練習後も、5日の中国戦の先発が予定されているダルビッシュ有(日本ハム)の状態を「想像していた球と感覚は近くなっている」「球がしっくりきているのが、しぐさで分かる」などと明かした。
 そればかりか、視察に訪れた韓国について問われると、「(対戦するのは)初めてのバッターばかりなので、(阿部)慎之助に聞いたりした。(4番は)あの身長、体重、スイングのキレだからね。どこへ投げるかイメージできている」とすでに攻略法をつかんでいることまで明らかにした。
 野手陣のキーマン、イチローと城島。米大リーグでもチームメートの2人は、コンディションで明暗を分けている。

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