事件は、男と内縁の妻、緒方純子(39歳)によって引き起こされたが、男の蛮行を長年にわたって受け入れ続けた純子の内面性に、世人の多くが注目した。
同じ高校出身であった2人は、20歳を迎えた頃に再会。男はすでに妻子があったが、純子は男と肉体関係を続け、ついには肉体と精神の奴隷と化したのである。
そこから、男による純子の実家の乗っ取りが行われた。男は純子の母親や妹と相次いで関係を持った上(母親と妹はのちに殺害)、彼女たちの夫や幼い子供、さらには共同事業を持ちかけた不動産会社の男性(34歳)までも監禁し、拷問の末に殺害。彼らによって用立てられた大金を、2人は奪い続けたのである。純子はその間、多くの犯行に関与し、殺害後の遺体損壊の実行役となっていた。
2011年、最高裁は「首謀者による支配があった」として純子の1審の死刑を破棄し、2審の無期懲役を確定させた。