11月1日、岩隈久志投手(29)のポスティングによる米挑戦が正式に発表された。辛口のメジャー情報通は「落札金は100万ドルから120万ドルといったところ」と、アメリカ経済の不況を理由に“買いたたかれる”可能性も示唆するが、岩隈本人は「西海岸でやりたい」とチームメイトに話しているという。この“プロ野球界の隠語”を解析すると、「西海岸の球団が(自分に)興味を示している」という意味になる。その通りだとすれば、来シーズン、メジャーリーグの西地区は日本人投手が“集結”する可能性も強まった。
「高橋尚成が代理人をアーン・テレム氏に代えたんです。ゴジラ松井の代理人として有名な氏は、目下、エンゼルスは残留交渉の具体的なアクションは起こしていませんが、『高橋とセット』となれば、状況が一変する可能性もあります」(米特派記者の1人)
メジャー各球団の戦力補強が本格化するのは12月以降だが、エ軍の地元・ロサンゼルスの報道を見る限り、チームは松井の残留にあまり熱心ではない。しかし、『左の大砲』を欲するチームは少なくない。松井本人はエ軍に残り、不振に終わった今季のリベンジを果たしたいとも思っているようだが、
「ソーシア・エ軍監督も松井を見限っています。本当に必要と思っているのなら、残留交渉はとっくに始まっている」(米メディア陣の1人)
と、厳しい声も聞かれた。
そんな厳しい状況が高橋の代理人変更によって、一変するかもしれない。
「エ軍のチーム防御率は4.04。メッツで結果を残した高橋が獲れるとなれば、その話に乗らない手はありません。エ軍なら、高橋が希望する先発ローテーション入りも可能。首脳陣にすれば、セットアッパー、ストッパーの適性も見せたベテラン左腕は魅力的です」(前出・同)
ニューヨークメッツも高橋サイドに残留交渉を呼び掛けている。しかし、古巣の巨人関係者によれば、「高橋は家族をアメリカに呼び寄せる」とのことで、日本人コミュニティーの多い西海岸への移籍を希望しているそうだ。
また、岩隈を落札する球団も松井の去就に影響を与えそうだ。
「岩隈は団野村氏に代理人を依頼しています。団野村氏はアーン・テレム氏と近い関係にあると言っていいでしょう。彼がアメリカで代理人資格を取得する際、その指導役を務めたのがテレム氏です」(前出・同)
両代理人が“共闘する可能性”もあり得るというわけだ。
高橋が代理人を代える際、その相談を持ち掛けられたのは、巨人時代の同僚である松井だったとの情報も交錯している。
「西地区への移籍を希望する日本人選手は少なくありません。岡島も西地区への移籍を希望しているとされ、トレード拒否権を持つ松坂も『西海岸なら応じる』という姿勢です。そうなると、松井の交渉がいちばん最後になるのでは?」(前出・米メディア陣の1人)
高橋との“抱き合わせ交渉”がエ軍残留の効果的な方法となりそうだ。いずれにせよ、日本人投手が西地区に集結しそうな状況は、松井の去就にも影響を与えそうである。