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セ・リーグMVPと流行語大賞「広島カープがリアル盟主になる」

 今季の流行語大賞に「神ってる」が選ばれた。セ・リーグMVPにも新井貴浩が選出されており、広島東洋カープの快進撃を象徴するような一年だったことが改めて証明された。その広島が今度は“球界のリアル盟主”になるかもしれない。
 新井には労組・プロ野球選手会会長への復帰待望論もあるという。
 「性格はマジメ。マジメで大成したプロ野球選手はいないなんて皮肉もあるが、新井は違う。ひとつの課題を与えられたら、トコトンまでやるタイプで、選手会関係で会見を開くときはなるべくカンペ(カンニングペーパー)を見ないようにと、何度も読み直したり…。選手会の事務方も彼の実直さに一目置いています」(球界関係者)

 NPBは選手会の出方についてちょっと警戒している部分もある。来年3月の第4回WBCだが、前大会で選手会と「出る、出ない」でモメている。メジャーリーグ機構と米選手会の利益になっている運営実態に噛み付いた。主張している内容は正しいことはNPBも分かっていた。「大会前に水を差すようなことを言って…」というのが経営陣のホンネであり、今回は過密日程で衝突する危険性も秘めている。来季開幕戦はセパともに3月31日、WBCを決勝戦まで戦えば、同22日のそれから10日も経たないうちにペナントレース突入ということになる。先発タイプの投手は開幕カードから外され、救援投手のオーバーワークは必至だ。
 「16年シーズン途中、選手会から来季の開幕日程を見直してほしいとの要望は出ていましたが、話し合いの途中でNPB側が一方的に発表してしまった」(ベテラン記者)

 この件で衝突することになれば、選手会との窓口を務めるNPB役員は、選手関係委員会委員長・鈴木清明氏だ。鈴木氏は広島の球団本部長でもある。
 「NPBは第4回大会後、侍ジャパンの次期監督人事について検討します。前巨人監督の原辰徳氏が有力視されていますが、小久保裕紀監督の続投だってゼロではない。NPB内には野村謙二郎氏を推す声もあるんです」(前出・関係者)
 前広島監督・野村氏は北京五輪の野球競技の解説者を務め、広島指揮官として、エルドレッドなどの外国人選手と英語でコミュニケーションをはかってきた。「米球界の事情にも精通している」と評価されているそうだ。

 選手会、NPB側の交渉窓口、そして代表チームの監督が広島で固まれば、カープはリアル盟主ということになる。もっとも、選手会のほうだが、12月8日に総会が開かれるが、「現実的には嶋基宏会長の続投だろう」と予想する声のほうが多い(12月3日時点)。とはいえ、MVP獲得で元会長・新井の発言力が強まるのは確実だ。
 広島カープは選手育成には定評があるが、戦力としてだけではなく、優れた「人材」も育ててきた。「神ってる」は神憑り的な活躍を表す造語だが、広島球団からすれば、その活躍は偶然ではなく、根拠のあるものと捉えているのではないだろうか。外部補強に頼らず、大切に育んできた新芽は逆境や重圧に負けない、と。

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