「それって、エッチな?」
いえいえ。エッチではありません。とても健康的でリラックスできる方のことです。キャバクラの癒しもよいのですが、マッサージも癒されるものです、と思ったのは最近のことです。
キャバクラの癒しは、何か取り留めのない話をして、かわいい子たち、あるいは奇麗な子たちと話をすること自体です。ただ、私だけかもしれないのですが、最近、キャバクラ嬢に「かわいさ」や「奇麗さ」を感じることが少なく、これでは癒されないな、と思っていたのです。そんなときに、どうせ外れるのなら、体によい健康的な癒しをできないか、と考えていたのです。
マッサージはその一つです。
京都でマッサージ店をはしごしたことは述べたことがあります。しかし、東京でも何度も行きたくなるようなマッサージを探していたのです。私はよく新宿にいるので、新宿で探しました。あるキャバクラの客引きに聞いてみると、
「最近、キャバ嬢たちが、『C』によく行くみたいですよ」
と教えてくれた。さっそく「C」へ行ってみると、深夜の時間は、マッサージが少ないせいもあって、待ち時間が発生してしまう、といいます。いますぐにしてもらいたかったので、この日は、断念した。そして、別のところにある日本人の男女がマッサージをしている店を探し出した。
入ってみると、50代に見える女性が私の担当になった。力加減もよく、足の疲れを心地よくほぐしてくれました。背中から肩にかけたマッサージも、とても癒されました。ここなら何度も通ってもいいな、と思えるような店でした。数日後、前回、私を担当した女性は休みだった。そのため、男性のマッサージを受けたが、男性の力は強すぎる。女性がする「強いマッサージ」が、私にはちょうどよかった、と思った。
別の日。渋谷で行われた友人の結婚パーティーの帰りのことでした。あるマッサージ店を見つけたのです。看板がとても魅力的だったからです。いつもならば看板を見ただけで店に入らないのだが、そのときは、釣られて入ってしまった。
この店は、マッサージ師は女性だけ。しかも、明るい雰囲気の店内で、女性客をメインターゲットにしている様子がうかがえた。比較的に若い女性たちがマッサージをしているので、気になったのは「力加減」だった。私のイメージでは、若い女性と話しながらマッサージはそれなりに癒されるが、肝心の体のほぐれ度合いはどうなのか? と心配だった。
しかし、きちんと足つぼをしてくれるし、足踏みもしてくれて、本格的なマッサージだった。ツボ押しは「強く」とリクエストしたが、その強さがほどよい強さだった。男性よりも力がない感じが、とても心地よかった。足踏みも遠慮なしにしてくるところが気に入ってしまった。5月から考えると、もう5回以上は行っています。
偶然に見つけたマッサージ店。新宿や池袋、渋谷などでどれだけ探したことだろう。でも、常連になりたいと初めて思った店を見つけてしまった。キャバクラを探しているときとなんだか似ている行動だなと感じてしまいました。
<プロフィール>
渋井哲也(しぶい てつや)フリーライター。ノンフィクション作家。栃木県生まれ。若者の生きづらさ(自殺、自傷、依存など)をテーマに取材するほか、ケータイ・ネット利用、教育、サブカルチャー、性、風俗、キャバクラなどに関心を持つ。近刊に「実録・闇サイト事件簿」(幻冬舎新書)や「解決!学校クレーム “理不尽”保護者の実態と対応実践」(河出書房新社)。他に、「明日、自殺しませんか 男女7人ネット心中」(幻冬舎文庫)、「ウェブ恋愛」(ちくま新書)、「学校裏サイト」(晋遊舎新書)など。
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