県警などによると、パトカーは同日午後4時50分頃、春日部駅から約150メートル北西の踏切に入ったが、前の車が動かず、警報機が鳴り出して遮断機が下りた。駅員が気付き、非常ボタンを押して電車を止めたという。そのため、東武鉄道の伊勢崎線と野田線の電車計14本に最大8分の遅れが出た。
前の車は遮断機が下りる前に、踏切の外へ出ていた。パトカーは数分間、立ち往生して、踏切を出た。
県警春日部署は、パトカーを運転していた同署地域課の男性巡査長(33)が、前をよく確認せずに踏切に入ったのが原因だとして、道交法(交差点等進入禁止)違反で、巡査長に反則切符(青切符)を切った。また巡査長と助手席の男性巡査部長(31)に、署長が口頭で指導した。
橋本豊副署長は「模範となるべき警察官がこのような事態を起こし、申し訳ない。列車などとの接触もなく、負傷者もいなかったので、通常の車両の交通違反と同様に公表しなかった」とコメントした。
この踏切は朝晩のピーク時には、1時間に最大約57分間閉まり、国土交通省が緊急対策の検討が必要とする「開かずの踏切」といわれている。
駅員が異常に気付いて、電車を止めたため、幸い大事に至らず、ケガ人も出なかったが、ひとつ間違えば、大惨事につながるところだった。
(蔵元英二)