大阪市交通局は7月17日、市営地下鉄の回送電車に乗務中にたばこを吸ったとして、鉄道事業本部運輸部森之宮乗務所の男性運転士(41)を停職1年の懲戒処分にした。また、監督責任を問われた乗務所長(56)ら上司2人を戒告とした。
市によると、喫煙による停職1年は初めて。同局では「喫煙の不祥事が相次ぎ、再発防止に取り組むなかで、また喫煙で信用を失墜させたことを重くみた」と説明している。
同局によると、運転士は6月20日午後8時頃、千日前線・阿波座駅と中央線・阿波座駅の間で回送電車を運転中、信号待ちの約4分間に、乗務員室内でたばこ1本を吸ったという。
市営地下鉄では2月10日に全駅構内禁煙が通達されたが、同22日に御堂筋線・梅田駅で清掃作業員のたばこの不始末が原因とみられる火災が発生し、禁煙徹底を通達した。ところが、4月3日、四つ橋線・本町駅で、男性助役が駅長室内にある給湯室で喫煙したため、火災報知機が作動、電車4本の運行に支障が出た問題が起きた。
助役は5月16日、停職3カ月の厳罰を受けたが、今回の運転士はそのはるか上を行く停職1年。回送電車でたばこを吸ったこと自体良くないが、電車の運行には支障を来してはいない。厳罰については、橋下徹市長から「前回より重い処分をするように」との指示があったという。
この事案を受け、市営地下鉄では全乗務員に対して、「業務中のたばこの不携帯の再徹底」を改めて周知。今後、管理職員などによる抜き打ちでの巡視や、添乗指導の際のチェックを行うなど徹底的な再発防止対策を講じるという。
(蔵元英二)