大阪市営地下鉄四つ橋線の本町駅で4月に、男性助役(54)が駅構内で喫煙して火災報知機が作動、電車の運行に支障が出た問題で、市交通局は5月16日、この助役を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。
橋下徹市長は懲戒免職の検討を指示していたが、顧問弁護士と法的な妥当性を検証。「免職は解雇権の乱用にあたる恐れがある」との指摘を受け、停職とした。
交通局によると、4月3日午前7時45分頃、本町駅の自動火災報知器が作動。駅員が確認したところ、駅長室内にある給湯室で助役がたばこを吸っていた。報知器作動を知らせる自動放送がホームにも流れ、電車4本の出発を一時見合わせたが、火災でないことが判明したため、約1分後に運転を再開。約1000人に影響した。
市営地下鉄では2月10日に全駅構内禁煙が通達されたが、同22日に御堂筋線・梅田駅で清掃作業員のたばこの不始末が原因とみられる火災が発生し、禁煙徹底を通達していたばかりとあって、この一件は橋下市長を激怒させていた。
交通局は「極めて重大な事案」と判断。免職は断念したが、たばこ1本で異例の厳重処分となった。
助役は「この日以外に駅構内で喫煙したことはない」と話しているという。交通局は、監督責任で上司の運輸部長(50)も厳重注意とした。
橋下市長は「これまでは注意で終わりだった。もう、そういう態度ではいけない」と述べ、今後、勤務中の喫煙を厳しく処分する考えを示した。
(蔵元英二)