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キャンプ情報 2012年大混戦の予兆 オリックス編

 2月20日の東京ヤクルトとの練習試合で、T-岡田に“技アリ”の一発が出た。昨季は不振に苦しんだが、3回にも鋭いライト前ヒットを放っており、李大浩との4、5番コンビはかなりの脅威となるだろう。
 この日の一撃を“技アリ”と称したのには、理由がある。今季はパワーではなく、スイング(技術)で打球を運ぼうとしているようである。前述の本塁打を放った後も打球の方向を確認しており、試合後も「イメージと(打球が)ちょっと違う」と話していた。考えすぎるのは良くないが、今年のT-岡田は「本塁打という結果だけでは満足していない。大人になった」という印象を受けた。

 岡田彰布監督は『5番最強論者』でもある。4番が歩かされた後に、「5番バッターがガツンと一撃を食らわす」のが理想で、早い時期から「4番・李大浩、5番・T-岡田」の構想を語っていたのは、「チームの中心はT-岡田」と見ているからでもある。実際、20日のヤクルト戦で出たT-岡田の満塁弾は4番・李大浩が歩いた直後に出たもの。同日、岡田監督がご満悦だったのはそのためで、『理想のチーム像』に近づきつつもあるようだが、T-岡田は「5番=昨季の不振による降格」と捉えているようにも感じられた。試合後の囲み会見で『打順』に関する質問が出た際、「(4番を)奪い返したい」と語っていた。岡田監督は自身の構想を、もう1度説明するべきだろう。

 打撃陣全体では、昨年と比べ、『打撃ゲージの右打席』が華やかになった。李大浩の加入はもちろんだが、前巨人・高橋信二、故障から復帰を目指す北川博敏も元気で、バルディリカス、大引啓次も彼らに刺激され、快音を響かせていた。
 また、即戦力野手として獲得したドラフト1位・安達了一(東芝)と、同2位・ 縞田拓弥(JR東日本)の2人が、内野のレギュラー争いを激しくしていた。ともに守備面では安定しているが、フリー打撃を見る限りでは、縞田の方が「上」かもしれない。大学、社会人でバットマンタイトルを獲得していた経歴はやはりダテではなかった。打球が伸びるのだ。安達もフルスイングしたときの打球は初速が速い。ただ、空振りも少なくないのだ。シート打撃などの実戦形式の練習になると、球種なのか、コースなのかは分からないが、『読み』が外れたような大きな空振りをする。2ストライク後の「ストライクか、ボールなのか判断しにくい」際どいコースに来たボールをファールにする技術も持っていたが、遊撃手のレギュラー争いが打撃勝負になった場合は「縞田有利」という印象を受けた。

 当然、現遊撃手・大引も例年以上にバットでアピールしていたが、このショートのレギュラー争いのなかで、異彩を放っていたのが高卒2年目の三ツ俣大樹だ。“年上の後輩”安達、縞田とは違って、バットコントロールで安打を放つ『俊足小技のタイプ』である。首脳陣も「将来のリードオフマン候補」として見ているのだろう。昨年は二軍で唯一、規定打席に到達している。守備範囲がもっとも広いのは、この三ツ俣である。打撃力、守備における送球等の安定感は年上の後輩たちの方が「上」だが…。岡田監督は誰に開幕ショートを託すのだろう。これだけ守備力の高い内野手がいえば、攻撃面での選択肢も確実に増す。代打、代走、守備固め。救援陣の平野、岸田も順調に仕上がっていた。ここに前西武・ミンチェも加わり、今季のオリックスは試合中盤以降に仕掛けてくるスタイルになりそうである。
 
 投手陣で目を引いたのは、やはり新加入の白嗟丞(31=元パドレス)。「速い」というより、「ごっつい」「重そう」といった直球がガンガン投げ込んできた。ただ、コントロールは良くない。今季はリリーバーが安定しそうなので、「打者2巡の6回」を目安に投げてくれば、2ケタは計算できそうだ。マクレーンは昨季よりも真っ直ぐが速くなった。この時点で「いちばん調子の良い投手は?」と聞かれたら、間違いなく、マクレーンである。ライバル球団が「優勝もあり得る」と警戒を強めていたが、今年は期待してもいいのではないだろうか。

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