二次元世界から飛び出して来たようなロボットの女子高生Q10と、幼い頃から大病を患って将来に希望がもてない高校生平太の出会いを中心に、そこに生きる人々の人間模様を描く『Q10(キュート)』、第5話のお話。
オタクの中尾順(細田よしひこ)にQ10(前田敦子・AKB48)をくれといわれた深井平太(佐藤健)は、本心は乗り気で無いものの、勢いで一度はQ10を中尾に譲り渡すと言ってしまう。しかし、もう自分の中ではQ10がただのロボットでは無くなっている事に気づき、撤回しようとするが…。
ずっとガマンして見続けてきた結果、やっと見ごたえのあるドラマに変化してきたこの作品。学習していくQ10がどんどん愛おしくなっていく平太と、強烈な「物欲」としてQ10を欲しがる中尾。気に入らないとすぐネットで中傷したり、自殺を図ったり、誰にも本心が話せなかったり、若者たちの心を魚眼レンズで覗くようなヒリヒリした演出が冴える。主人公が抱える不満や不公平が、実は若い子たちへ語りかけるメッセージになっていて、こんな時代にどう現実と向き合えば幸せになれるのか? そう考えさせられるような、とにかくニューシネマ風に深いストーリーなの。次回は時空を動かすQ10の秘密を知っている、ひきこもり少女・月子(福田麻由子)がとうとう動き出す模様。目が離せない展開に…。
大事なシーンで、あえてセリフが少なかったり、何気ないシーンがすごく大事だったり、見る方もまったく油断ができないドラマ『Q10(キュート)』。「すいか」や「野ブタ」や「セクシーボイス」よりもさらに話が難解になっていて、演じている若いキャストたちは表情や演技力を問われて大変そう。飛ぶ鳥を落とす勢いで日夜忙しい佐藤と前田は睡眠時間を削ってドMによく頑張っているわ。(チャッピー)