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故障者続出 星野ジャパンの憂鬱

 強気で売る星野仙一五輪監督がイライラしている。代表候補の主力選手が次々とケガ、故障…。北京で金メダルを取って“世界の星野”に、との野望に陰りが出始め、いま大慌て。星野ジャパンの悩みは深い。

 候補選手77人を発表したのが3月。最終発表は6月20日で、選手数は24人。5月中には内定を出して各球団と下交渉しなければ最終決定に持ち込めない。もう時間もない苦しい状況になっているのだ。
 星野監督の野球は守り重視。その軸となる投手陣がいずれも不調、故障のオンパレードだ。巨人の高橋尚やロッテの成瀬義久といった左腕エースが揃って昨年とは別人のような成績。
 加えて西武の涌井秀章やロッテの小林宏、渡辺俊介らにしても不安定ときている。リリーフ陣の阪神・久保田智之、藤川球児もここへ来ておかしくなっている。先発、救援の両方で起用する予定の巨人・上原浩治は登録抹消…。
 「最終24人に残りそうな投手がアテにならない状態になってきた。12球団の監督は、自分たちは五輪に関係ないし、星野に義理立てすることもない。チーム勝利最優先で戦うから主力投手はガンガン使いますよ。球団だってオーナーだって、五輪に協力しろ、と本音で言うわけがない」(ベテラン記者)
 打者も不振選手が少なくない。特に巨人選手がおかしくなっている。小笠原道大、谷佳知はヨレヨレだし、高橋由も腰痛でベンチから消えた。そんなことで、星野監督はこれまで無関心状態だった日本ハムの4番打者の稲葉篤紀あたりに笑顔を振りまいている。
 「もう監督は必死ですよ。最初に考えていたベストチームとは大分変わっているはずです。どうやって編成していくか、連日のようにコーチの田淵、山本の同級生とヒソヒソ話、といった状態です」(五輪担当記者)
 最終メンバーを選ぶのにポイントになるのは巨人選手だが、誰が見ても現状では巨人選手を選びにくい。ところが単純に収まりそうもないところに悩みもある。連盟担当記者はこう言う。
 「巨人としてはメンツがあるから相当数を押し込んでくるでしょう。本番で使えるかどうかは別にしてね。星野監督にしても巨人をないがしろにはできない。五輪後のことがありますからね」
 関係者の話からすると、星野監督は北京五輪の金メダルで日本球界を牛耳るという野望を持っている、と見る球界人は少なくない。次期コミッショナー、あるいはセ・リーグ会長などに照準を定めているという話まである。
 球界とはかけ離れた政治の世界では、北京五輪はやっかいな骨となってノドに刺さっている状態。福田首相は来日中の胡錦涛主席との会談後の記者会見で「開会式出席」を明言しなかった。今後、問題がこじれることがあれば、選手不参加という事態も考えられる。
 「モスクワ五輪のとき日本は不参加だったが、それを決定したのは代表選手が決まった後でした。ときの官房長官がJOC(日本オリンピック委員会)に乗り込んで即日不参加でしたからね」(アマチュア担当記者)
 長野で五輪聖火を持って走り、五輪に忠誠を誓った星野監督。その努力も今は五里霧中といったところで、星野ジャパンの悩みは深い…。

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