今垣光が首をひねっている。初戦をまくった段階では「徳山の優勝ペラで伸びはトップクラス」の言葉も出たが、その後2戦して「あのときはエンジンメンバーでしたね」とニュアンスが変わってしまった。現状は伸び型だが、このアシも「中堅上位」の見立てだ。それに「出アシはサッパリですから」が加わる。7Rで2号艇→カドの4コースを選択したのも、出アシに対する自信のなさゆえ。「整備し直してみます」は当然の思案。もっと使える伸びにするのか、それとも出アシを押し上げ、バランスを取ってくるのか。それは「回転の上がる新ペラ」との絡みもある。3日目は5号艇の走り、インが回ってくるまでは伸び仕様か。
こういう今垣の『カド』を、ジカ内の『カド受け』で止めた松井繁は「エンジンの反応が鈍い。全然納得してないよ」と7R直後に語ったものだが、ここ2着とはいえ、グラチャン優勝戦で後塵を拝した相手に対しては、リベンジを果たした結果となった。当時ほど今垣が伸びていないのも事実なら、グラチャンに比べたら、松井のエンジンが下がっていないのも見た目に分かる。しかし…。
「アシは着順とは程遠い。スタートを早仕掛けでいって、自分のターンも悪くなかったが、出口のアシが不満やね。色々試しているけど、なかなかピリッとしたアシにならない…。(優出はしたが)グラチャンでも笹川賞でも、最近はずっと悪かった。自分のプロペラが駄目だということでしょう」
そして後半の12R、インでお約束の勝利を飾ったあとにも、表情は苦しげだった。序盤を終えて(2)(2)(1)、着順の取り方はいつもの松井流でも、本人は基本のプロペラにも疑問を呈す。破綻の予感を抱えている。