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落合、第二のバレンタインの危機

 原巨人のリーグ4連覇阻止を掲げながら、東京ドームでの今季初対決でいきなり1勝2敗と返り討ちにあった中日・落合博満監督。唯一、最大の支援者・白井文吾オーナーからの「4年ぶりのリーグ優勝。そして、昨年(8勝16敗)のお返しで巨人戦は16勝8敗」という指令実現は、スタートから雲行きが怪しくなった。そこへ追い打ちをかけるように、落合政権を揺るがすような衝撃情報が流れている。

 地獄耳の球界関係者が発信源だ。「中日の落合独裁政権はひどすぎる。落合監督の年俸がなんと4億円。腹心の森ヘッドも1億5000万円だというのだから、驚くよ」という、にわかには信じがたい、落合監督の年俸4億円情報だ。
 昨シーズン限りで解任されたロッテ・バレンタイン監督の年俸が5億円で、日本プロ野球界史上、最高年俸といわれている。05年に球団史上31年ぶりの日本一になり、日替わりオーダーなどの成功がボビーマジックともてはやされ、年俸5億円、4年契約という超破格の待遇を手にしたのだ。
 しかし、バレンタイン監督の年俸だけが突出してしまい、「勝っても儲かるのは監督だけ。我々には、なんの恩恵もない」と、選手のモチベーションは一気に下落。チーム低迷の元凶になってしまった。球団が契約切れを理由にして、バレンタイン監督斬りを強行したのも、赤字圧縮と同時に、健全財政でナインの士気を高め、根本からチームを再建する必要に迫られたからだ。年俸10分の1の5000万円、生え抜きの西村徳文新監督起用はもっかのところ大当たりしている。バレンタイン・カラーの一掃で打線の固定、小林宏の抑え起用など西村采配はチームを活性化、パ・リーグの首位を走っている。

 このロッテの再建成功例は、中日・落合監督にとって他人事ではないだろう。年俸4億円というのが、もしも事実ならば、4年ぶりのリーグ優勝、3年ぶりの日本一奪回は、当然のノルマになる。その上、「巨人に16勝8敗」という白井オーナーの注文も、きわめて妥当なものといえるだろう。
 「白井オーナーが全面支援しているから、『勝てばいいんだろう』と好き勝手をやりながら、落合はここまで生き延びてきた。が、ここ2年間、全くいいところなく、原巨人にやられているので、全権を任せていたオーナーも落合監督に対し、注文をするようになった。巨人戦に16勝8敗指令というのも、その一例だろう」。中日関係者からこういう声も出ている。
 まだシーズンが始まったばかりとはいえ、早くも単独首位に立った原巨人の独走を阻止するには、27日からのナゴヤドームでの3連戦でのお返しが求められる。昨年のように、原巨人にやられ放題だと、落合監督は第二のバレンタインの道を歩むしかなくなるだろう。来季まである契約は保証の限りではない。

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