日本でも徐々に広がりつつあるという『広東住血線虫』は、湿気の多い温暖な地域を好み、主にネズミの体内で増殖する寄生虫だ。ネズミの糞や生野菜を好んで食べるナメクジやカタツムリに寄生し、それらを餌として食べた犬や猫の体内からも“生きたまま”発見されるという。
最近はダイエットブームの流行で生野菜の需要が高まっているが、生野菜を食べたナメクジやカタツムリの糞から寄生虫が生野菜に付着し、海外では、よく洗浄されていない野菜サラダを食べて発症する例も多いらしい。
「地球温暖化の影響で、日本国内でも徐々に広東住血線虫の発症例が増えています。しかもこの広東住血線虫は最悪なことに、人間の体内に侵入すると、脊髄内を通り脳を目指して移動する。そして高い確率で『好酸球性髄膜脳炎』という非常に重篤な脳炎を引き起こし、最悪、死亡したり、手足が動かなくなるなどの、重い後遺症が残ることもあるのです」(医療系ジャーナリスト)
特に危険なのは、熱帯の国へ行った海外旅行者だという。よく海外では「生水は決して飲むな、生野菜を食べるな」と言われるが、うっかり飲んだり食べたりした人で発熱が長引くなどという場合は、「髄膜炎の初期症状」かも知れないので、注意した方がいいだろう。