手短に由緒を記しますと、明治天皇が崩御し、御大葬の際に、乃木希典将軍と静子婦人は先帝に殉じて自刃を遂げられました。以降、このご夫婦の忠誠心に感激した国民は、乃木邸を訪れるようになります。
ご夫婦の精神を永世に伝えようと、時の東京市市長、阪谷芳郎男爵が先頭に立ち、広く同志を集め、大正8年に乃木神社創立の許可が下ります。昭和20年の空襲により焼失しましたが、昭和37年9月13日、御祭神50年祭に合わせて復興しました。
都会の真ん中ではありますが、広い敷地には木々も多く、私が訪れた時は初夏ということもあり、境内は緑に包まれていました。当日はとても暑い日で、駅から神社に辿り着くまでは大変でしたが、境内に入ると暑さを忘れるような、物静かな雰囲気がありました。
安産祈願や七五三参りの各種祈願の他に、結婚式もできる神社です。私が訪れた当日も結婚式の最中で、境内には多くの人がいました。それでも、賑やかさよりも、物静かで神聖な印象を受けました。華やかさよりも、厳かな雰囲気を堪能したい方には、お勧めできる神社だと思います。
また、境内には様々な社宝を展示している建物があり、無料で拝観することができます。そこには乃木将軍が殉死に使った刀も展示されており、慎み深い気持ちにさせられました。お守りも、可愛らしい今風のものから昔ながらのものまで、各種販売されています。
当時、身近な人物が入院中だったので、健康祈願のお守りを買い、差し上げたところ、無事に退院することができ、とても喜んでもらえました。また、御礼参りに訪れたいと思います。
(へみ 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou