「打撃練習を再開させることに関しては、ドクターからの許可が下りました。ピッチング練習を再開させても大丈夫かどうかの判断はもうしばらく後になりそう。現地メディアの報道だと、今季後半は打者専念とか、打者に比重を置いた起用になるとの見方がされています」(米国人ライター)
打者としての実戦練習だが、10打席に立ち、走塁もこなしたという。一部の米メディアによると、7月3日からのマリナーズ戦からチーム再合流も予想されてきた。ちょっと早すぎる感もしないではないが…。
「大谷がいるだけで観客動員数が違ってきます。それと、エンゼルスの主力バッターは右打者が多いので、左バッターの大谷が入ると、他選手への相乗効果も望めるので、チーム合流を急いだのでしょう。エンゼルスのソーシア監督も無理をさせない範囲で大谷を使っていくはず」(前出・同)
しかし、今回の精密検査に関して、詳細は明かされていない。メディアに公表されたのは「打者復帰は可能」とのことだけ。一般論として、打者復帰できるということは、左バッターの大谷がフルスイングしても“軸”になる右腕には負担が掛からないと判断されたのだろう。本当に悪ければ、バットスイングにも制限が掛かるはずだ。
もっとも、「バットスイングと右肘への負担は別問題だ」と捉える関係者もいたが、こんな情報も聞かれた。
「大谷が受けたPRP治療と幹細胞注射ですが、痛いなんてモンじゃない。有効的な治療法ですが、この治療を受けて1か月弱で実戦復帰するなんて、考えにくい」
これは日本のあるプロ野球解説者の言葉だ。日本球界にもこの治療を受けた選手がいて、箇所は異なるが、慎重を期して2か月弱は安静にしていたという。やはり、大谷は“強行復帰”ではないだろうか。
「しばらくは代打での起用と予想されています。守備負担のない指名打者も十分に考えられますが、実戦練習で走塁の練習をしたということは『走者・大谷』として期待している部分もあるからではないか」(前出・米国人ライター)
大谷が俊足なのは、すでに米球界全体が認めている。「代走起用」だけではなく、外野守備に入る機会もありそうだ。
「大谷は一発のある主砲タイプですが、走るのが速いので、ソーシア監督は彼が出塁すると、機動力を絡めた作戦も立てやすいと褒めていました。これまでは、投手としての負担を考え、単独スチールのサインを出さなかっただけ」(特派記者)
ホームランと単独スチール、後半戦の大谷は「ゴジラ松井」と「イチロー」の“二刀流”を見せてくれそうだ。復帰を焦って右肘が重症なんて事にならなければいいのだが…。(スポーツライター・飯山満)