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中継ぎの雄・摂津の1億円辞退は「大人の判断」?

 福岡ソフトバンクホークスの摂津正投手(28)が、1億円の大台突破を辞退して9500万円で契約を更改した(12月7日)。同会見で、摂津は「(1億円をもらうのは)まだ早いかなと思った」と語ったが、その謙虚さは“別の意味”でも称賛されていた。

 1億円の大台に乗ると、首脳陣やフロントの見方はかなり厳しくなるという。それなりの年俸をもらう以上、活躍して当たり前。厳しく評価するのはソフトバンクに限った話ではない。
 摂津本人も更改会見で示唆していたが、来季は先発転向の可能性もある。
 「初めての先発ローテーション入りとなれば、不安もあるでしょう。失敗したときのリスクも考慮したのではないか?」(ライバル球団職員の1人)

 プロ野球解説者の1人がこう続ける。
 「右肩の故障で3年間、全く登板のなかった斉藤(和巳=33)の現状も影響したのではないでしょうか。球団は斉藤のこれまでの貢献度も考え、リハビリに専念させてきましたが…」
 斉藤は来季から『リハビリ担当コーチ』となる。球団は夏ごろから「育成枠への降格」を打診してきたが、斉藤がこれを固辞。球団は「リハビリに専念すべき」としたが、斉藤は「即、一軍復帰できない処遇」に難色を示していた。両者の言い分は平行線を辿り、一時は「解雇」の可能性もあった。球団側が「故障回復後の選手登録」を約束したことで、ようやく折り合いが付いた。しかし、この処遇について、批判的な声も聞かれた。
 「特命コーチ(リハビリ担当)になっても、やることは育成選手とほとんど変わりませんよ。他選手にアドバイスを送ることもあるでしょうが、基本的には自身のリハビリに専念させるつもりです。斉藤は『あと1年だけ、待つ』と最後通告されたようなもので、斉藤本人も『3年間登板のない自分を拾ってくれる球団なんか、ほかにない』と自覚したんでしょう。高い給料をもらっていれば、シビアに判断されるのは当然のこと。復帰のメドが立たなければ、コーチ業に専念させられる…」(球界関係者)
 斉藤の説得にあたったのは、王貞治会長だとも言われている。
 また、球団は『三軍構想』も進めていた。斉藤のようにリハビリに専念しなければならない選手や、育成選手で構成されるが、組織拡張のためには『カネ』も必要だ。イヤラシイ言い方になるが、斉藤がリハビリに専念していた08年(2億5000万円=前年現状維持)、09年(2億円)、10年(1億2000万円)の3年間で、5億7000万円が喪失されたようなものである。
 「当時は球団社長や経営方針も違いますが、かつては小久保裕紀も故障で1年を棒に振り、余剰人員扱いされ、巨人に放出されたことがありました」(前出・同)
 今回、球団が斉藤の復活を願っていることは強調しておきたい。

 どの球団も同じだが、経費節減を行う際、年俸の高い選手やベテランから処遇が検討される。摂津は1億円プレーヤーの称号を見送ったことで、その標的から免れたとも言えなくはない。
 摂津には懸念材料がないわけではない。09年、リーグ最多の70試合に登板し、今季もそれを上回る71試合に駆り出されている。3年目の来季、『勤続疲労』が出ないとも限らない。首脳陣が先発転向も視野に入れたのは、その危険を回避させるためだという。
 「摂津は連投を強要されても、1つも文句を言わないので、首脳陣の覚えも非常に良い。今回の昇給見送りは自分への戒めだと言っているし、フロントも好印象を抱いたはずです。1億円をもらった直後に成績を落とすより、9000万円台で50試合前後に中継ぎ登板した方が、来年の昇給に繋がるはずです。長いスパンで見れば、今回、1億円を見送った方がずっとオトクです」(選出・プロ野球解説者)
 摂津の大台辞退は「大人の判断」でもあったようだ。(金額は全て推定)

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