写真は特級時代の陶器ボトル。
80年代半ばの物でございます。
この時期のスプリングバンクは色々なボトルを供給してまして、ペアシェイプと呼ばれるオーバルやブックタイプ、デカンタなどもこの時期に販売されております。
現行型も、もちろん販売されてますが・・・手に入らない!
人気があると言うか転売屋に狙われていると言うか・・・
酒屋さんも困ってますね。物が入ってこないと。
古いバーテンダーの間では「木下商事」のイメージが強いですが、現在では「Whisk-e」さんが代理店になってます。
今の倍くらい引っ張ってきて頂けると助かります。回ってこないので。
ところで、この時期(80年代)に販売されていたモルトに「アーガイル」と言う物があります。
ちまたでは、これの中身がスプリングバンクとの噂があるのですが、違います。
タリバーディンとタムナヴーリンをキャンベルタウンの貴族である12代アーガイル公が自分の名前を使って販売していたものなので間違えないようにして下さい。
キンタイア半島を領地としていたキャンベル一族(ここがキャンベルタウンを作った)の一端ですので勘違いしがちですが気を付けましょう。
さて、今更感が強いですがスプリングバンクを掘っていきます。
創業は1828年。その前から密造をしていた「アーチボルト・ミッチェル」氏が現在の場所に合法な蒸留所を作ったことからその歴史は始まりました。
20世紀の始めには32か所の蒸留所が在ったキャンベルタウン地方ですが、そのほとんどの蒸留所は品質が悪い物だったようです。*(不買運動がおこるレベル。)
この時代にきちんとやっていた所が今現在も稼働中で、このスプリングバンクとグレンスコシアです。
その他にここの蒸留所はピートタイプのモルトを2回蒸留した「ロングロウ」とノンピートモルトを3回蒸留した「ヘーゼルバーン」の3タイプを製造販売しております。
ちなみにスプリングバンクでは2回半蒸留と言ってますが、ほぼ3回蒸留に近い方法です。
① 1回目の蒸留(ウォッシュスチル)で得られた A液(ローワイン)
② 2回目の蒸留(ファーストローワインスチル)で得られた B液
③ 3回目の蒸留(セカンドローワインスチル)において使用する材料は、80%がB液、20%がA液。*《出来たC液のことをニューポットと呼びます。》
全体の8割が3回蒸留で2割が2回蒸留って事ですね。
まぁ細かい所はご自分で調べて頂くとして、このお酒を未だ試していない方は必ず飲んで下さい。出来れば古い物が良いのですが。。。
現行型でも美味しいですけど、最近のは、ちょっと味が奇麗すぎる気がします。
奇麗すぎて印象に残りづらいと言うかインパクトに欠けると言うか。。。
ここで一時期ブレンデッドの「ミッチェルズ」ってのを出してましたが美味しくなかったなぁ・・・w
スプリングバンクを飲むとモルトの凄さを体感出来ると個人的には思っております。
マジで輸入量増やしてくださいw
本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。
監修
Bar ADDICT