1988年3月、大阪府内で大規模な盗難事件が発生した。
被害に遭ったのは、大阪府内のカメラ店で、店主が朝、店を開けると、閉めたはずのシャッターが壊されており、商品であるカメラなどが陳列棚から盗まれていた。盗まれたカメラは計27台ほど。被害額は170万円以上と甚大であった。
数台ならともかく、20台を超えるカメラが盗まれたため、警察は集団での犯行を疑っていたが、実際に逮捕されたのは近くに住む中学3年生の少年、ただ一人であった。さらに、この少年はカメラ店への侵入のほか、過去には和歌山や兵庫といった近県でも盗みを働いており、100件ほどの盗難事件を起こしていた事がわかった。
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後日、少年の共犯として彼の実父も警察に逮捕されたのだが、父はあくまで少年のために逃走用の車を運転していただけで、窃盗の計画や実行は全て少年が一人で行っていたという。少年が窃盗に手を染めた理由は「父親の喜ぶ顔を見たかった」という気持ちがあったのだという。
父はかつて事業を行っていたが、不況のあおりもあり倒産。一家揃って借金生活へとなってしまった。そんな中、少年は家計を助けるため窃盗に手を出した。現金が手に入ると父親が喜んでくれるため、悪い事と分かりつつも止める事が出来なかったという。
父親も少年が犯罪を行っているのは知って協力はしていたが、家族が生きるため最後まで止めることができかったというのだ。その後、家族が幸せに暮らせた事を祈りたい。