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阪神、“ソフトB産”投手のブレーク相次ぐワケ 今季加入の大竹も絶好調、次に続く有力候補は

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大竹耕太郎(写真はソフトB時代)

 7日終了時点でセ・リーグ首位(35勝17敗2分)に立つ阪神。好調なチームの中で特に活躍が目立っているのはプロ6年目・27歳の大竹耕太郎だ。

 大竹はプロ入りした2018年から2022年までソフトバンクでプレーしたが、「35登板・10勝9敗1ホールド・防御率4.07」と目立った成績を残せないまま、2022年オフに現役ドラフトで阪神に移籍。ただ、迎えた今季は7日終了時点で「8登板・6勝0敗・防御率0.71」と圧巻の数字を残している。

 8日に発表された5月の月間MVPでは、セ・リーグ投手部門で初受賞(4登板・3勝0敗・防御率0.33)も果たした大竹。名実ともに阪神のエースになりつつあるが、“ソフトバンク産”という観点から活躍間違いなしと予想していたファンも多かったようだ。

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 阪神では近年、大竹と同様にソフトバンクから移籍してきた投手が一軍戦力として活躍するケースが目立っている。2020年オフにソフトバンクを戦力外となって阪神が獲得した加治屋蓮は昨季までの防御率が「3.31」と、ソフトバンク時代の「4.62」から良化。今季も7日終了時点で「21登板・0勝0敗6ホールド・防御率0.00」とブルペンの一角としてしっかり稼働している。

 また、2020~2021年にかけ在籍したスアレスは、移籍前年の成績は「9登板・0勝4敗・防御率5.74」とサッパリだったが、阪神では2年連続でセーブ王のタイトルを獲得するなど大化け。この活躍ぶりが評価され、2021年オフにはメジャー、サンディエゴ・パドレスに移籍している。

 阪神ファンの間では「安心と信頼のソフトバンク産」と呼ばれるほど成功例が続いている元ソフトバンク投手。なぜこのような流れが続いているのかについては、指導方針の違いがうまくかみ合っているのではという見方もある。

 ソフトバンクはこれまでに千賀滉大(現ニューヨーク・メッツ)、石川柊太、大関友久といった投手を育成選手から主戦投手にするなど育成には定評があるが、体作りを徹底し馬力を上げることを重視しているとされている。150キロ超の速球を投げる投手はゴロゴロいるが、その代償からか制球に苦しむ投手も少なからず見受けられる。

 一方、阪神はソフトバンクとは対照的に制球力を軸とした指導方針を採用しているとされ、一軍投手陣は過去5年間で2度(2019,2022)リーグ最少与四死球を記録している。そのため、体は仕上がっている元ソフトバンク投手が阪神で投球術を仕込まれることで、球威・制球を両立させるという流れが確立しているのではないかというわけだ。

 実際、当事者の一人である大竹も、8日に臨んだ月間MVP受賞会見の中で「ホークスだと150キロ以上が投げられて当たり前みたいな、そこがボーダーラインみたいなところがあったので、力んで速い球を投げなきゃいけないという、スピードガンとの戦いみたいな感じになってしまっていた部分がある。阪神に来てフォアボールを出さないとか、しっかり制球できているとか、そういうところにチーム的にも重きを置いているというか。そういうチームカラーが自分の中ではすごく楽に投げられてて」と、阪神の指導を受けたことで一皮むけたという旨を語ったという。

 これまでで最大の成功例であるスアレスに迫りつつある大竹。スアレスを上回るほどのインパクトを残せるのかはもちろん、阪神フロントが次に狙う元ソフトバンク投手が誰になるのかも要注目といえる。高橋純平、椎野新、杉山一樹(いずれも今季一軍未登板)など、昨年までの大竹と同じように才能は評価されながらくすぶっている投手も複数いるが、こうした投手に触手を伸ばすことは果たしてあるのだろうか。

文 / 柴田雅人

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