アメリカ・ペンシルベニア州で、誘拐事件をでっちあげ、警察にウソの報告をしたとして、同州警察が元大学生の女を逮捕した。海外ニュースサイト『NBC News』『New York Post』などが5月6日までに報じた。
報道によると、5月1日22時半ごろ、レストランでアルバイトを終えた23歳の元大学生の女が車で帰路についたという。しかし女はそのまま行方不明に。女と最後に連絡を取ったのは、女の交際相手の男性だ。男性の携帯には、「偽警官に車を止められた。目隠しをされて拉致された」などと誘拐を知らせるメールが女から届いた。男性が女の携帯に繰り返し連絡をするも、応答はなかったそうだ。
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女の家族にも連絡が行き、女の家族が警察に通報。のちに女の乗っていた車が、路上に放置された状態で発見された。周辺は森林地帯で、警察は捜査ヘリを飛ばすなど、大規模な捜索を実施。捜査開始から約20時間後、警察に「女は女の知人宅にいる」などとタレコミがあったそうだ。
女の知人宅に向かった捜査員は、女の無事を確認したという。事情を聴くため、女には署まで任意同行を求めた。警察の取り調べで、女は大学生と名乗り、「警察を装った覆面の男に銃を突きつけられた。目隠しをされて誘拐された。場所を転々と移動して、知人宅近くで解放された」などと説明。しかし女の説明に一貫性がなく、捜査関係者らは疑問を感じたそうだ。大学側からも警察に連絡があった。大学の説明では女は2年もの間、講義に出席しておらず、学生名簿からも女の名前が削除されていることが分かった。
捜査関係者が女を問い詰めたところ、「誘拐でっちあげ」を認めたという。警察は、治安を乱す行為、偽証などの疑いで、女を逮捕・起訴した。捜査関係者によると、事件の5日後には女の学年の卒業式が控えていたという。女の家族らを含め、周囲は女が卒業式に出るものと思っていたそうだ。捜査関係者は、すでに大学を中退済みの女が、卒業式に出席できないのを隠そうと誘拐をでっちあげたとみて、調べを進めているという。
このニュースが世界に広がるとネット上では「大学生にしては幼稚な犯行だ」「大学を卒業できる頭脳はないと、自ら証明」「無駄な税金。捜査費用は女に全額請求してほしい」「ウソの上塗りで戻れなくなったパターン」「大学の費用を払い続けていた両親に同情」「アルバイトをしていた女。大学の授業料も。お金は何に使ったのだろう」といった声が上がった。
警察をも巻き込む大掛かりな誘拐劇を演じたばかりに、隠したかった事実を家族だけでなく全国民に知られてしまう結果となってしまった。
記事内の引用について
Woman charged with faking her own abduction to hide fact that she dropped out of college, state police say(NBC News)より
https://www.nbcnews.com/news/us-news/woman-charged-faking-abduction-hide-fact-dropped-college-state-police-rcna83039
Pennsylvania college dropout allegedly faked abduction to avoid graduation embarrassment(New York Post)より
https://nypost.com/2023/05/05/penn-state-dropout-chloe-stein-allegedly-faked-abduction/