「私は以前、ある歯科クリニックで歯科助手をしていました。そこは、院長と歯科衛生士が1人ずつ、歯科助手が2人の小さなクリニックでした。
勤務中は、一応スマホの使用が禁止となっていました。でも、トイレに入ったときなど、ササッとLINEを確認するぐらいはいいだろうという認識はあったんですね。ところがある日、トイレから出てスマホを手にしているところを院長に目撃されてしまいました。すると、“勤務中は全員のスマホを預かる”と言い出したんです。学校じゃないんだから没収って…。院長は50代半ば。昔の横暴な職場体制が染みついてるんだと思いました」
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スタッフは仕方なく命令を受け入れ、スマホを預けるようになったそう。すると、その後トラブルが頻発する…。
「ある日の勤務終了時、スマホを返却される際、もうひとりの助手の子のスマホが見当たらなかったんです。院長が、“デスクの引き出しに入れていたのがない”と…。スタッフ総出で探したところ、院長の別の白衣のポケットから発見されました。
また後日。お昼休憩の際もスマホを返してもらえるんですが、私の手元に戻ってきたスマホを見ると、“使用できません”との表示がありました。“15分後にやり直してください”とも出ていました。それは、パスワードの解除に失敗したときに出るメッセージ。院長に尋ねると、“ポケットに入れてて間違えて押しちゃったのかも”と言うんですが、絶対ウソ! スマホを覗こうとしたに違いありません。こんな職場にはいられないと思い、辞めました」
狭い職場では、上司に反発もしにくい。パワハラとの認識も薄く、上司が“お山の大将”化し、横暴がまかり通ってしまうことがある。スマホ没収という子どもじみた行為も、許されてしまうのだろう。
写真・Kārlis Dambrāns