イギリスでも4月7日に俳優のラッセル・クロウがローマ法王庁公認エクソシスト、ガブリエレ・アモース神父を演じた「法王のエクソシスト(原題・The Pope's Exorcist)」が公開され、話題になっている。神父は2016年に91歳でその生涯を閉じた、実在する人物だ。
ホラー映画なので当然、様々な悪魔ばらいの光景が描かれるわけだが、実際にアモース神父が体験した悪魔ばらいの現場はホラー映画顔負けの恐ろしいものだったという。
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イタリアのカトリック神父であるガブリエレ・アモース氏はバチカンのエクソシスト長であり、国際エクソシスト協会を共同設立した人物だ。
彼が数多く手がけた悪魔ばらいの現場は壮絶なもので、1997年にある青年の悪魔ばらいをしたときは、部屋が氷のように冷たくなり、窓や壁には霜が降りたという。
さらに青年は体を硬直させると、数分間にわたり約90センチ浮遊したそうだ。
この青年の悪魔ばらいには数日かかったそうで、十字架や祈祷書、聖水、聖油、そして紫のストラを憑依された男性の首に巻くなど様々な手段でようやく、おはらいに成功したという。
別の事例では、体を押さえつけていた11歳の子どもが4人の屈強な男たちを投げ飛ばしたり、10歳の男の子が大きくて重いテーブルを持ち上げるなど、人知を超えた怪力を発するのを目の当たりにしたそうだ。
他にも「悪魔や悪霊に取りつかれた人はつばを吐くことが非常に多い」とアモース神父は語る。
そのため、少し経験を積んだエクソシストはつばを吐かれないよう、ハンカチやティッシュを顔の前に置いて防御することが多いそうだ。
ただつばを吐かれるだけでなく、奇妙なものを吐き出した事例も。とある男性は「3本のくぎ」を吐き出し、別の悪魔は取りついた女性の体を使って「ラジオの破片」を次々と吐き出させたそうだ。
後にアモース神父はやがて世界で最も有名なエクソシストと見なされた。だが長年、スターリンやアドルフ・ヒトラーらがすべて悪魔に取りつかれていたと主張したり、「ヨガの練習は悪魔的であり、ハリー・ポッターシリーズを読むことも悪魔につながる」と言ってひんしゅくを買うこともあったそう。
しかし、宗教感に重きを置かなければ、普段はユーモアのある人物であったそう。彼の平均30分のアドバイスを受けたいという人たちが世界中から訪れていたそうだ。
アモース神父は7年前に肺の病気で息を引き取った。
第二次世界大戦でナチスと戦い、法律を学び、やがて司祭となるという数奇な人生をたどったアモース神父。彼を演じたラッセル・クロウは「この映画の内容が、彼の経験や記録に基づくものだという点に興味を持った」と語っている。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
関連動画
THE POPE'S EXORCIST – Official Trailer(Sony Pictures EntertainmentのYouTubeチャンネル)より
https://www.youtube.com/watch?v=YJXqvnT_rsk
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Real-life Pope's Exorcist 'saw patients levitate, spit nails and gain super strength'(The Daily Star)より
https://www.dailystar.co.uk/news/weird-news/real-life-popes-exorcist-saw-29635175