2023年牡馬クラシック戦線を語る上で外せないのが、朝日杯FS組。勝ち馬から近年クラシックの勝ち馬が出ていなかったが、21年に制したドウデュースが日本ダービーを制し、12年の勝ち馬ロゴタイプ以来のクラシック勝ち馬が誕生したことにより、再び注目され始めた当レース。22年は3番手から抜け出したドルチェモアが優勝。内が伸びる馬場だったこともあるが、ゴールまでしぶとく伸びたことがこの馬の強さを物語っている。これで無傷の3連勝を飾り、翌年のクラシック戦線に名乗りを上げた。血統的にはダービーまで有力と考えられるが、馬体の造りからは2000mあたりまでが良いタイプか。
朝日杯FS組の中では2着のダノンタッチダウンに将来性を感じる。明らかに幼い馬体をしており、それで最速の上がりを使って勝ち馬からクビ差の2着。それも外を回ってのものだから負けて強し。これでまだ幼い体つきだから将来が楽しみでならない。
朝日杯組からはもう一頭。キャリア1戦で3着に入ったレイベリング。メンバー随一の柔軟性があり、後方から追い込んで勝った新馬戦とは打って変わって、正攻法の競馬をしての3着。こちらも体がしっかりとしてくれば、完成度の高い勝ち馬を逆転する可能性は十分にある。
この原稿を執筆している時には、まだホープフルSの結果は出ていないが、出走予定馬の中からピックアップすると、出世レースの東京スポーツ杯2歳Sを勝ったガストリックにまず目が行く。その東スポ杯2Sでは、ダッシュが付かず後方からの競馬となったが、直線では内から馬場の真ん中へ進路を取って伸び、ダノンザタイガーが追い込んできたものの、クビ差まで詰めてきたところからは差を縮めさせず勝利した内容は、着差以上に強かった。
もう一頭挙げるなら、着差を考えると出遅れが痛かったハーツコンチェルト。好メンバーが揃った中、出遅れて後方からの競馬になりながらも、最速の上がりを使って勝ち馬から0秒2差の3着と強い競馬をした。
別路線組からは、こちらも重賞馬を数多く輩出してきた野路菊Sを制したファントムシーフ。重馬場でおこなわれた黄菊賞を唯一の34秒台の上がりで差し切ったセブンマジシャンも侮れない。
牝馬とは違い、確固たる中心馬がおらず混戦模様の牡馬クラシック戦線。混戦を断つ馬は現れるのか!2023年のクラシックロードから目が離せない!
<プロフィール>
ハッシー
山梨県出身。北海道・浦河にある生産牧場での牧童経験を活かし、馬の適性を見極める。特技は寝わら上げ。本サイト毎週火曜掲載の「ハッシーの地方競馬セレクション」、土曜掲載の「ハッシーのロックオン~狙ったレースは逃さない!~」も担当している。