12月14日、現役ドラフトで獲得したオコエ瑠偉外野手の巨人入団会見が開かれた。東京都出身のオコエは「家族や友人となかなか会えなかったけど、これからは」と、笑顔。身体能力の高いスピードプレーヤーがその才能を開花させることができたら、巨人の外野はレギュラー奪取の激戦区となる。
「右の外野手不足が弱点だったのに。ウォーカー、オコエ、長野久義、ドラフト2位・萩尾匡也(慶應義塾大)、石川慎吾。前SFジャイアンツのルイス・ブリンソンも獲得に向けて調査中だと言うし、松田宣浩も外野守備の準備を進めています」(スポーツ紙記者)
今季、頭角を現した増田陸もセンターでのレギュラー争いに加わることが決まっている。
右翼コンバートが決まった丸佳浩、成長株・秋広優人、重信慎之介、松原聖也…。そうなると、来季の出番が“完全にナシ”になりそうなのが、ドラフト1位ルーキー・浅野翔吾外野手(高松商)だ。浅野は「将来の主砲候補」でもある。だが、聞く人によって、その育成法が微妙に異なるのだ。
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水野雄仁スカウト部長はマイクを向けられる度に、
「スタートは二軍。でも、(一軍昇格まで)さほどの時間は掛からないと思う」と答えてきた。
聞く人によって食い違うのは、その「時間」の解釈だ。
「高校一年生の頃から、打撃レベルが頭一つ抜きん出ていた感じ。代打、守備固めでいい。一年目から一軍を体感させてやらないと」
そう話す関係者も何人かいた。つまり、体力、技術が備わっていなくても、一軍を経験させる機会を与えてやるの意味だ。
お披露目のような雰囲気になりそうだが、一軍投手のスピード、変化球のキレなどを体感することは、将来に向けて大きなプラスとなるだろう。
その一方で、「試合に出る機会を最優先させる」のニュアンスで、「二軍で鍛え上げて行く」と話すスタッフもいた。とは言え、こちらも水野スカウト部長同様、早期の一軍定着を予想していた。
「さほどの時間」とは、具体的にどれくらいを指しているのだろうか。
「来季のシーズン終盤と予想する人もいれば、一軍定着とレギュラー奪取を同一視し、3年後と言う人もいました。外野手の補強に成功したので、浅野の一軍定着が3年ではなく、4、5年後になるかも」(プロ野球解説者)
一部報道によれば、現役ドラフトのリストが届いた時、オコエを要望したのは原辰徳監督だという。
「オコエが楽天にドラフト1位指名されたのは、2015年10月。その時、巨人は原監督から高橋由伸氏に指揮官が交代しました。当時の巨人スカウト団が1位指名に推していたのがオコエでした。でも、新監督となる高橋氏のために『やはり即戦力投手を獲るべき』と変更になったんです」(球界関係者)
原監督はオコエが本当に欲しかったのだろう。浅野も早く見たい。その両方が外野守備に就いた時、東京ドームでの巨人戦の光景は確実に変わる。(スポーツライター・飯山満)