11月1日、ZOZOマリンでの秋季練習でシート打撃練習が行われ、佐々木が登板したのは既報通り。岡大海、そして、安田尚憲、高部瑛斗、山口航輝といった同世代のスラッガーたちに2打席ずつ、30球ほどを投げ、4三振を奪ってみせた。
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興味深かったのは、来季からチームの指揮を執る吉井理人・新監督の“佐々木評”。と言っても、吉井監督は昨季まで佐々木を見守ってきた元投手コーチでもあるわけだが、その「師弟関係」は侍ジャパンでも続けられるようだ。
「ライブビーピーだと、あのくらいで十分。あれでゲームに行くとまた違う何かが出てくるので、5、6キロ(は球速が)速くなると思う」
吉井監督はそう言って、目を細めた。
ライブビーピー? 「Live Batting Practice」。メジャーリーグとは少し内容が異なるが、シート打撃練習のことを「ライブBP」と言うそうだ。
佐々木の成長をその眼で確信した吉井監督はこうも語っていた。
「確か(11月)10日に投げると思うので。気分良く投げてくれれば」
今さらだが、佐々木は侍ジャパン入りした。11月10日はオーストラリアとの試合が予定されており、代表チームの投手コーチでもある吉井監督は「佐々木の登板日」をいち早く教えてくれたのだ。
佐々木も練習終了後、日にちこそ言わなかったが、「登板日までしっかり調整していきたい」と述べていた。オーストラリア戦に登板、栗山英樹代表監督の意向はすでに伝えられているのだろう。
「強化試合は、日本ハム(5日)、巨人(6日)と1試合ずつ、オーストラリアとは9、10日の2試合が予定されています。佐々木は巨人打線との相性が良くありませんでした。オープン戦、交流戦ともに失点しています。日本ハムとは同一リーグなので、手の内を見せるようなことはさせたくない。そういうわけで、佐々木のオーストラリア戦の登板は早くから決められていました」(関係者)
先発するのかどうかは教えてくれなかった。しかし、「長いイニングは投げさせない」(同)と言う。ほかに招集された投手たちとの兼ね合いもあるが、「負担軽減」は吉井監督が“代表コーチ”として進言し、栗山代表監督も同意見だったそうだ。
「今季の佐々木なら、WBC本番でも通用するでしょう。心配なのは『身体のこと』。WBCが行われる来年3月に全力投球をして、その後、長いペナントレースを乗り切るだけの身体ができているのかどうかです」(前出・関係者)
WBCとペナントレースの両方をこなす体力があるのかどうか、それを見極めるのも吉井監督だ。
「栗山監督は日本ハム時代の教え子である大谷翔平の体調を懸念し、WBCでは先発起用しない方向です。オリックスの山本由伸の日本シリーズでの故障も気掛かりです。今回の強化試合で『中軸』になる投手を見つけないと…」(前出・同)
オーストラリア戦では圧巻のピッチングで「新チームのエース」としての名乗りを上げてもらいたい。(スポーツライター・飯山満)