報道によると、平田はこの日球団事務所を訪れ退団会見を実施。球団からは引退か、自由契約かの2択を打診されたと説明した上で、「盛大な(引退)セレモニーはできないと言われた」、「Tシャツやタオルや映像が流れて僕がマウンド付近で話をする、それが自分の中での最後かなって思っていたので。自分の17年の野球人生の最後としては違うのかなと感じた」とコメント。自身の引退記念グッズを身に着けたファンが見守る中で打席に立ち、試合後はゆかりのある人物からのビデオメッセージが場内に流された後に最後の挨拶に臨む。こうした理想のセレモニーはできないと告げられたため、自由契約を選択したと明かしたという。
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球界では現役を退く選手のために球団が引退試合・セレモニーを開くことは珍しくなく、コロナ禍が始まった2020年以降も特段自粛などはされていない。ただ、開催可否やどのくらいの規模で行われるかは、選手の格や準備期間によるところが大きいとされている。
また、引退年ではなく翌年に引退試合・セレモニーが行われるケースもある。中日でも2015年限りで引退した山本昌氏(現野球解説者)が2016年3月5日に一日限定で球団と再契約を結んだうえで、同日のヤクルト戦で登板・セレモニーに臨んでいる。
平田のコメントを受け、ネット上には「セレモニー内容不満だから出て行きますは初めて聞くケースだな」と驚きの声が上がったが、中には「ここ数年は不良債権のくせに自己評価高すぎでは」、「言い方悪いけど、実績を考えるとうぬぼれてるとしか思えないな…」、「そんなこと言える立場なのか? 在籍年数の割に活躍した期間は短かったのに」といった呆れ声も見られた。
平田はプロ1年目の2006年から中日一筋でプレーし、今季までに「1227試合・.268・105本・484打点・1046安打」といった通算成績を残している外野手。「130試合・.283・13本・53打点・139安打」をマークした2015年はベストナイン、「138試合・.329・9本・55打点・162安打」を記録した2018年にはゴールデングラブ賞を受賞した実績を持っている。
ただ、ぎっくり腰(2012)、右足首捻挫(2014)、右膝半月板損傷(2017)、左ふくらはぎ肉離れ(2019)、異型狭心症(2021)、新型コロナ感染(2022)など故障・病気による離脱も多く、ここ3年も「127試合・.211・4本・31打点・63安打」とほとんど結果は残せず。こうした球歴から、盛大に送り出してもらえるような立場なのかと首をかしげたファンも少なからずいたようだ。
会見最後には「今は辞める時ではない。もう一花咲かせたい」と来季以降の復活へ意欲を見せたという平田。その自身を受け入れてくれる新天地は果たして見つかるのだろうか。
文 / 柴田雅人