問題となっているのは、「5-4」と阪神が1点リードを奪った6回裏2死三塁でのこと。打席の阪神・マルテに対し、広島2番手・森浦大輔はカウント「2-1」からの4球目にストレートを投じる。この球はマルテから見て高さはみぞおち付近、コースはベース板の左端スレスレで、どちらもかなり際どく、捕手・會澤翼はミットを大きく右斜め下方向に動かす、いわゆる“フレーミング”(際どい球を審判にストライクと判定させるための捕球技術)を見せていた。
マルテも体に近いと感じたのか少し腰を引きつつこの球を見送ったが、福家審判はストライクと判定。コールの直後、マルテは福家審判の方を振り向き数秒ほど凝視するなど判定に不服そうな態度を見せた。
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この福家審判の判定を受け、ネット上では「今の内角球の判定はおかしい、どこがストライクなんだ」、「高さはまだしもコースは外れてるだろ、マルテも避け気味だったわけだし」、「マルテがイラっとするのも分かる、あれは打ちにいってもファールにしかならない気がする」、「ストライク球なら會澤もあんなあからさまなフレーミングしないだろ」といった不満が相次いだ。
マルテへのストライク判定に疑問の声が集まる中、一部の間ではその直前の判定も問題視されている。6回裏の福家審判は先頭・原口文仁がカウント「3-1」から、左肘を引いて間一髪で直撃を回避した内角球をストライクと判定。また、1死一、二塁では梅野隆太郎がカウント「1-2」から見送ったストライク気味のアウトローをボールと判定している。ネット上には「この回だけで3つも怪しいジャッジ下しててヤバすぎる」、「内角判定甘すぎるし逆に外角は辛すぎ」といった意見も散見される。
「公認野球規則では、ストライクゾーンは『打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間』と定義されています。ただ、各審判が全ての試合で定義通りにゾーンを判定しているかといわれればそうではなく、試合によって判定にバラつきが出る日もあります。人間が目視で行う以上バラつきが出るのは致し方ない面もあるのですが、今回の福家審判は1イニングで怪しい判定を連発したこともあり、やり玉に挙げられてしまったようです」(野球ライター)
物議を醸す判定が相次いだ6回裏に3点を挙げた阪神が、1点差で逃げ切る結果となった14日の試合。福家審判のジャッジが試合展開を大きく影響したとモヤモヤを抱いたファンも少なくなかったようだ。
文 / 柴田雅人