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埼玉県の秩父、寄居を舞台に、従業員を亡くした主人公の心の再生を描く本作。壇上には主演のたい平ほか、たい平に寄り添う父役のペー、母役の結城美栄子、音楽を担当した猪野佳久、本作のメガホンを取った島春迦監督も登壇した。
たい平はペーの父役について、「最初は(ペーが)本当にお父さんって?信じられないキャスティングだった」と感想を述べ、「それが撮影を続けるうちに、ペー師匠が田舎の不器用なお父さんみたいで、自分の本当のお父さんのように見えてくる。不思議でした。ペー師匠のちゃんとした芝居を見たのも初めて。いい経験させてもらいました」と話す。
ペーも「僕はドラマや映画に出る時は大体、林家ペーの役。本人役が多いんです。今回、初めてちゃんとした役をいただいた」と笑顔で振り返り、父役については「たい平は兄弟弟子なのに、そのお父さんの役って聞いて驚いた」と話す。
役作りに関してもペーはこだわりがあったと言い、「小津安二郎ワールドみたいな作品だしって、笠智衆を参考にして、(結城を振り返る時も)『そうかい』って原節子を見るような感じで演技しました」と冗談交じりに紹介。「肩の力を抜いてやらせてもらって、お褒めの言葉もいただいて、改めていい経験をさせてもらいました。あとは日本アカデミー賞助演男優賞を期待しています」と話して会場を笑わせる。
結城も「撮った場所の美しさと言ったらなかった。菜の花のいっぱい咲いたところで自転車に乗ったんですけど、感動的なほど美しかったです」と振り返り、たい平との現場でのやりとりについても「冬みたいな寒さだったんですけど、師匠(たい平)はご自身のジャンパーを脱いでかけてくれたりして。こんな優しい方いるのかと感激した次第です」と紹介していた。
(取材・文:名鹿祥史)