先場所「5勝10敗」でカド番に転落した正代はこの日、「9勝6敗」と勝ち越した平幕・琴ノ若と対戦。今場所も負け越しなら関脇転落となる正代としては、取りこぼしをせず順当に勝利したい一番だった。
ところが正代は立ち合い、胸でぶつかった直後に突然引きに転じ、これを機とみた琴ノ若に押し出されあえなく敗戦。わずか4秒ほどで決着となった取組終了後、この日NHK中継で正面解説を務めた北の富士勝昭氏(元横綱)は「最悪の負け方だね。(本人も)あんまり悔しそうでもないね」と格下相手に引いて自滅した相撲内容を酷評した。
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正代の相撲を受け、ネット上にも「どっちが大関か分からないレベルの酷すぎる負け方」、「出足はまずまずだったのになんですぐに引いてしまったのか」、「土俵際でもほとんど粘れてなかったし先が思いやられるな」、「番付考えたら普通に勝たなきゃいけない相手なのに…苦手意識が強すぎたのか?」といった苦言が多数寄せられた。
「正代は過去に琴ノ若と3度(2021年9月、2022年3、5月)対戦経験がありますが、それぞれ上手投げ、寄り切り、突き落としで敗れ3連敗を喫しています。今場所の敗戦で連敗は4に伸びましたが、正代が琴ノ若に対して苦手意識を持ち、それが相撲に影響したのではというファンの見方も散見されます。また、今回の取組は1度目の立ち合いで琴ノ若がつっかけ不成立となっているのですが、これにより正代は2度目の不成立は避けよう、しっかりと呼吸を合わせようという意識が働き、その分立ち合いで立ち遅れてしまったという可能性も考えられそうです」(相撲ライター)
取組後の報道では「初日ということもあってちょっと硬かった。対応できてなかった」と敗戦を振り返ったことが伝えられている正代。ファン・OBから苦言を呈された初日の反省を2日目以降に活かすことはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人