そんな吉村をかねて尊敬していた後輩芸人がいる。吉本興業ではなく、サンドウィッチマンなどが所属するグレープカンパニーのお見送り芸人しんいちだ。ギター片手に♪〇〇が好き♪と対象者をディスる芸で、「R-1グランプリ2022」の頂点に立った。ノリに乗っているピン芸人は、かねて吉村の大ファンと公言していた。
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しんいちには、かなえたい夢があった。吉村の愛車を購入したいというものだ。先輩の愛車が後輩芸人の手に渡る事例で思い出されるのは、故・志村けんさん。20年の死去後、およそ500万円の自腹を切って、千鳥の大悟が購入している。しんいちはそれを狙っていた。
吉村は2015年に約2000万円のBMW i8を購入。ところが、そろそろ買い替えの時期に差し掛かったため、みちょぱとのYouTubeチャンネル「みちょぱ吉村のマブマブTV」のなかで、英国産高級車のマクラーレン 720Sを購入。3000万円超えの人生最大の買い物をした。不要となったBMWはまだローンが残っている。その返済と購入を思案していたちょうどその時期に、しんいちが“購入”を名乗り出た。そのときに下した吉村の決断は“譲る”。「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(テレビ朝日系)でオードリーの若林正恭、ハライチの澤部佑などから仕掛けられたわなだったが、自ら乗ってみせたのだ。
「『くれてやろうじゃないか!』と譲渡をしてみせた吉村さん。しかも、およそ200万円のローンの残金も吉村さんが負担することで合意。R-1王者に優勝賞金(500万円)を上回るプレゼントをしてみせたのは、芸人史上初にして唯一ではないでしょうか」(テレビ番組制作会社の構成作家)
BMW i8は中古で購入しても1000万円。しんいちにとって初めて手に入れた愛車がいきなり高級外車となった。
売れたことによって、スーツを着てMCエリアがベストポジションとなった吉村。破天荒伝説を自ら再びつないだ男気は、あっぱれだ。
(伊藤由華)