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西川のスローガンである「小さなことからコツコツと」を掲げた全国ツアー。「世の中が不安な時なので、それを払拭するのは笑うのが一番。免疫ができて抵抗力も出る。大いに笑っていただきたい」と陣頭指揮を執る。千秋楽の大阪・なんばグランド花月まで全国8か所を回る公演では、今をときめく人気芸人が事務所の壁を越えて出演。この日は爆笑問題、霜降り明星、和牛、ジャルジャルら全国区で活躍する実力派がきよし師匠の下に馳せ参じた。
西川自身もステージに立つ。ピンでの漫談に加えて、大平サブローとの「新やすし・きよし」では、横山やすしとの伝説のコンビ「やすきよ」を進化させた令和のしゃべくり漫才を披露。また「西川きよしの迷惑事件簿!」コーナーでは、自身のうっかりエピソードを後輩芸人がイジる趣向で会場を沸かせた。“相方”を務めた大平は「相方というのはおこがましいんですが、プロレスでシングルマッチを戦いながら試合でタッグを組むイメージ」と説明。「これだけのお客さんの前で生の笑いを浴びることが、一番芸人を生かすと感じた」と芸人の本能を刺激されていた。
来月2日に76歳の誕生日を迎える西川だが、笑いに対する姿勢は変わらない。「サブローさんが嫌がるくらい、楽屋に行って稽古しようかと言っています」と明かすと、大平も「以前、一緒に回ってた時ですが、毎回『ネタ合わせしようか』と言いに来るんです。でも、やっているうちに“やすきよ”のイメージが膨らんできて。あれだけ稽古したら空振りはないんだなと」と証言。これに対して、西川が「それでも空振りする時があるんですよ。舞台の上でしかわからない0.0何秒が……」と悔しがると、大平に「忘れはるんですよ。マイクの後ろに下がって、僕のところに来て『次なんやった?』って聞くんです」と暴露されて、思わず苦笑いしていた。
(取材・文:石河コウヘイ)