報道によると松田オーナーは同日に応じた取材の中で、秋山獲得に乗り出した理由について「戦力としてはもちろん、その存在がチームにもたらすものが大きい」、「投資的な意味合いもある」とコメント。純粋な戦力としての働き以外にもメリットが見込めるためと説明したという。
>>米マイナー・秋山、西武復帰浮上も「帰ってこないで」の声? 実力は健在も歓迎されないワケは<<
プロ12年目・34歳の秋山はこれまで西武(2011-2019)、シンシナティ・レッズ(2020-2021)、パドレス(2022/傘下マイナー)でプレーし、日米通算で「1349試合・.296・116本・534打点・1476安打」といった数字を残している左打ちの外野手。西川龍馬以外にレギュラー格の外野手がおらず、その西川も下半身コンディション不良で5日から抹消中の広島にとってはこれ以上ない選手といえるが、松田オーナーは他選手への技術指導など戦力面以外の波及効果にも期待しているようだ。
松田オーナーのコメントを受け、ネット上には「縁もゆかりもない秋山をなんで獲りにいくのかと思ったらそういう理由だったのか」、「広島は若手に左打者が多いから、秋山獲得でこうした選手らを刺激したいんだろうか」、「投資的な意味合いって言葉も凄いな、交渉次第ではコーチ手形まで切るんじゃないか」と驚きの声が寄せられた。
また、中には「将来的なマエケン復帰をにらんで、仲のいい秋山をチームに引き入れて布石にしたい思惑もあるのでは」と、元広島で現ミネソタ・ツインズの前田健太の名を引き合いに出した憶測コメントも一部見られた。
「前田は広島時代(2007-2015)にエースとして『218登板・97勝67敗・防御率2.39』といった数字をマークした投手ですが、秋山とは1988年生まれの同級生という縁もあり、過去に『秋山が一番の親友』、『2人の関係性は友達以上、恋人未満』と語るほど親交が深いことで知られています。ロサンゼルス・ドジャース(2016-2019)、ツインズ(2020-)でプレーするMLBでは『169登板・59勝41敗9ホールド6セーブ・防御率3.87』と一定の数字を残していますが、現在は昨年9月に受けたトミー・ジョン手術の影響で離脱中。回復後の投球次第では日本復帰を選択せざるを得ない状況となる可能性もゼロではありません。こうしたことから、ファンの間では松田オーナーは前田が古巣復帰を決断しやすい環境を整える意味でも、前田と仲良しの秋山獲得を狙っているのではないかという見方は散見されます」(野球ライター)
球界では2007年オフに広島・新井貴浩が公私で慕う阪神・金本知憲と共にプレーしたいという理由で阪神へFA移籍したケースを筆頭に、人間関係が決め手となった移籍例は少なくない。広島も仮に秋山獲得に成功すれば、前田に復帰を要請する上で好材料となることはまず間違いなさそうだが、古巣西武やソフトバンクも参戦している争奪戦を制することはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人