「0-3」と阪神3点ビハインドの1回表無死満塁。乱調の阪神先発・小野泰己に代わりこの場面からマウンドに上がった2番手・牧丈一郎は、打席のソフトバンク・リチャードに4球目のスプリットを左翼後方へ運ばれる。左翼手の前川はすぐに背走し、フェンスに背中からぶつかりながら捕球を試みるも及ばなかった。
フェンス激突後は特に変わった様子は見せずにプレーを続行し、直後の1回表1死二、三塁の場面ではアウトは取れなかったものの本塁への好返球も見せていた前川。ところが、2回裏1死一塁で回ってきた第1打席で片山雄哉を代打に送られ途中交代となった。
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突然の交代を受け、ネット上には「問題ないと思ってたら急にベンチ下がったけど大丈夫なのか」といった心配の声に加え、「これまさか上半身コンディション不良が再発したのでは」、「背中、腰に故障再発なら、また2か月ぐらいグラウンドから遠ざかるってことになるんじゃないか?」と長期離脱を危惧するようなコメントも多数みられた。
「前川は高卒ルーキーながら矢野燿大一軍監督、平田勝男二軍監督からスイングの鋭さなど打撃面を高く評価されている期待の若手ですが、3月末に上半身コンディション不良を発症し戦線を離脱。当時の報道では背中・腰の張りがきっかけとされており、その後約2カ月の調整を経て、6月7日の二軍・オリックス戦で実戦復帰したばかりでした。今回の途中交代は1回表のフェンス激突で何らかのアクシデントが生じたことが理由と思われますが、もし上半身コンディション不良が再発したとなると、また2カ月程度の長期離脱を強いられる可能性も決して低くはないでしょう」(野球ライター)
試合後の報道では、平田二軍監督が前川は13日に病院に行く予定と明かすと同時に、「(痛めた箇所は)同じところだと思うよ。せっかく(故障が)終わったところなのにな…。参った。一番、コレが痛いや」と再発を覚悟していることが伝えられている。長期離脱からようやく復帰した直後に、またその悪夢が前川に再来してしまうことになるのだろうか。
文 / 柴田雅人