移動日となった5月16日、千葉ロッテの井口資仁監督が記者団の質問に答えた。
「そのつもりでいる」
これで、佐々木と伝統球団の対決もほぼ決定した。
>>ロッテ、2日連続の退場劇は“佐々木詰め寄り問題”の影響か 「暴言があったから」審判団の理由説明に疑問も<<
井口監督への質問というのは、佐々木の次回登板のこと。13日のオリックス戦に先発したのを指して、「次回登板も中6日で行くのか?」の質問に対し、そう答えたのだ。
「今年、佐々木に課せられたテーマの一つに『中6日のローテーションをこなす体力作り』があります。疲れていると首脳陣が判断したら、いったん登録を抹消するなどリフレッシュ休暇を与えながらですが」(プロ野球解説者)
中6日での次回登板はソフトバンク戦(20日)となる。プロ野球はその直後の24日からセパ交流戦に突入するので、佐々木の次々回登板は27日の阪神戦となり、6月3日からの巨人戦に備える予定だ。
佐々木対阪神・佐藤輝明、対巨人・岡本和真。両チームとも打線が強力であり、特に巨人は勝利した24試合中14試合が「ホームラン=勝利打点」となっている。また、巨人は本拠地・東京ドームで「対佐々木の一戦」を迎える。ビジターとなる阪神もテレビ中継、グッズ販売などのビジネスを仕掛けてくるだろう。
「佐々木が試されるのは、阪神戦です。阪神には近本光司、中野拓夢など単独スチールのできる選手もいます。走者を出した場面でのセットポジションがやや苦手だった佐々木が、成長の証を見せられるのかどうか」(球界関係者)
千葉ロッテの首脳陣は「過剰な期待」にちょっと心配しているという。完全試合を達成したためだが、ファンは「シーズン2回」の偉業にも期待しているのか、対戦チームが最初のヒットを放つだけでヘンなざわつきも見せている。チーム関係者は「佐々木自身は記録を意識していない」と言うが、
「記録を狙っていないとしても、ヒットを打たれた瞬間、ノーヒットノーランはなくなったことは分かります。記録を気にしていないとしても、些細な心境の変化がピッチングに影響するもの」(前出・プロ野球解説者)
と、投手心理を分析する声も聞かれた。
「本当の課題は、体力です。中6日のローテーションをこなすのは、口で言うほど簡単なことではありません。たとえば2日で回復していた体力が戻らない時もあれば、気持ちが高ぶって、自分の体力を過信してしまう時もあります」(前出・同)
次回登板は福岡、順調に行けば、その後の阪神戦は本拠地・ZOZOマリンとなり、移動にさほど時間のかからない東京ドームでの登板となる。「体力不足」が弱点だとしても、ソフトバンク後の阪神、巨人両試合には“地の利”がある。
伝統球団に投げ勝ったら、佐々木は「千賀滉大、山本由伸に次ぐジャパンのエース」と呼ばれるはずだ。大チャンスである。
これも、完全試合の影響だろうか。佐々木が投げる時、守っているロッテナインがミョ~に緊張し、ガチガチになっているのが気になる。(スポーツライター・飯山満)