その埋蔵金は「フォレスト・フェンの埋蔵金」と言われており、時価3億円相当と考えられていた。元米国空軍のパイロットで、後に骨董商として名をはせたフォレスト・フェン氏は、1988年にがんと診断された後に自らの莫大な遺産を隠そうと考えた。そして80歳になった2010年、ロッキー山脈の「ある場所に金貨やダイヤなど3億円相当の財宝を箱に入れて隠し、見つけた者に譲り渡す」と宣言したのだ。
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財宝の隠し場所は彼の自著でほのめかされていたが、「宝探し」と銘打つだけあってヒントはかなりあいまい。しかも隠し場所は人けのある場所からかなり離れた場所であると考えられていた。一獲千金を求めてこの埋蔵金の捜索にチャレンジした人も少なくなく、中には事故に遭ったり遭難したりして亡くなってしまった人もいたようだ。
そんなフェンの埋蔵金が2020年6月についに発見されたという報告があった。発見者はジャック・ステューフという人物で、隠されていた財宝の写真をフェン氏に送って確認してもらったという。写真を見たフェン氏は「その箱はロッキー山脈の緑豊かな森林に覆われた植生と星の天蓋の下にあり、私が10年以上前に隠した場所から少しも移動していなかった。発見されて、うれしさと悲しさが中途半端に混じっている気持ちだ」と語っていた。なお、10年以上たってようやく発見され、気持ちに区切りがついたからなのだろうか。9月7日月曜日、フェン氏は自宅で90歳で亡くなっている。
だが、このフェン氏の埋蔵金騒動はこれだけでは終わらなかった。現在なんと訴訟問題に発展しているのである。フェン氏の遺族を訴えたのはジェイミー・マクラケン氏で、彼は「フェン氏の宝探しはレベルが低い」と主張。裁判が行われることになったのだ。
さらにこの訴訟に対して「宝は内務省が管理する連邦所有の土地に隠されており、正確な場所を公にすることは問題がある」という(少し無理のある内容で)連邦政府が介入する動議を提出したのである。
フェン氏の財宝は実際にはイエローストーン国立公園の敷地内に隠されており、これが法律に抵触する可能性が高いという意見が出た。事実、スチューフ氏が宝物を発見した際にフェン氏に連絡した際、フェン氏が発見した宝物を「与える」ことを示唆する、慎重な単語が使われていた。これは国立公園で発見された財産について、法律を回避するための巧妙な抜け道であり、この文言に関する指示書が財宝と一緒に箱に含まれていた可能性があるというのだ。
幸いなことに、マクラケン氏の裁判を担当した判事が政府側の申し立てを却下したため、裁判はマクラケン氏とスチューフ氏の間で行われることになりそうだ。この裁判における証人尋問で、本当にフェンの財宝が隠されていた場所が明らかになると考えられている。気になる裁判は6月に行われる予定だという。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
参考動画
Forrest Fenn Treasure Finally Found In Rocky Mountains | TODAY
https://www.youtube.com/watch?v=bsRM6Dh8PbU&feature=emb_title
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Legal Battle Leads to Revelation That Fenn Treasure Was Hidden in Yellowstone(Coast to Coast Am)より
https://www.coasttocoastam.com/article/legal-battle-leads-to-revelation-that-fenn-treasure-was-hidden-in-yellowstone/