「2-2」と両チーム同点の9回裏。ロッテは5番手・廣畑敦也が無死一、三塁のピンチを招いたところで、打席の宇佐見真吾に2球目のストレートを強振される。だが、打球は左翼ライン際に上がる浅いフライとなり、高部は余裕を持ってファールゾーンで捕球体勢に入った。
ところが、打球は高部の目の前のフェアゾーンにポトリと落ち、三塁走者が生還してロッテはサヨナラで敗戦。高部は打球を見失ったのか、それともフェア・ファールどちらになるか判断に迷ったのかなどは不明だが、井口監督は試合後に「我々も理解できないです。まぁチョンボですね。本当にこういうことやってたら勝てない」と高部をバッサリ切り捨てたという。
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井口監督のコメントを受け、ネット上には「何を迷ったのか知らないが、あんな凡フライを捕れないのはプロとしてはお粗末過ぎ」、「捕ってタッチアップ刺せずに負けならまだしも、そもそも捕球すらできなかったんだから擁護は不可能」と同調の声が寄せられた。一方、「本人相当メンタルに来てそうなのに追い打ちかけるなんて情が無さすぎる」、「文句言いたい気持ちは分からなくもないが、もう少し他の言い方があっただろ」と苦言を呈するコメントも多数見られた。
「試合終了後の高部は肩を落としてベンチへ引き揚げましたが、グラウンドからベンチ内へ入ろうとしたところで立ち止まると、その場で両膝に手をつきうなだれながら号泣。その後ベンチ内に入り座ってからも、顔を帽子で隠しながら涙を流す様子が中継カメラに映っています。このことから、今回の井口監督のコメントは、ただでさえ落ち込んでいる高部のメンタルにさらにダメージを与えかねないと不満を抱いているファンも少なからずいるようです。なお、今回のような場面では捕球後の本塁返球がそれ三走の生還を許すといった形のミスは少なからずありますが、捕球すらできないのはかなり珍しいミスといえます」(野球ライター)
今季は3月25日の開幕から4月6日まで全試合で1番打者として先発起用され、4月は打率「.300」と頭角を現しつつある高部。だが、今回の致命的ミスや井口監督の酷評が今後のプレーに悪影響を及ぼす可能性もゼロではなさそうだ。
文 / 柴田雅人