オープン戦も「残り4試合」。3月18日から巨人対千葉ロッテの2連戦(東京ドーム)が行われる。巨人・原辰徳監督がポランコ、ウォーカーの両新外国人選手の昇格とスタメン起用を“予告”したため、各メディアは同日の先発が予定されている佐々木朗希との対決を注目ポイントに挙げていた。
「佐々木の球速に、現役メジャーリーガーのポランコも驚くはずです」(ベテラン記者)
メジャー通算96本塁打のポランコと日本の剛速球王の対決。興味深い対決になりそうだが、それ以上に注目したい選手がいる。プロ7年目、その才能がようやく開花した平沢大河だ。
>>ロッテ・井口監督、不振続く平沢に“最後通告”? 来季に期待も「ラストだと思ってやってくれる」本音を漏らしたか<<
この巨人戦でも“結果”を出せば、井口資仁監督も開幕オーダーの変更を本気で考え始めるのではないだろうか。
「ドライチルーキーの捕手・松川虎生(市立和歌山)も開幕スタメンマスクの可能性も見えてきました。オープン戦首位打者の高部瑛斗も好調をキープしています」(スポーツ紙記者)
千葉ロッテのオーダーは大幅に変更されそうだ。
平沢は2015年のドラフト会議で1位指名されたが、期待された打撃面でなかなか結果を出せずにいた。
「今季がラストチャンスみたいな雰囲気も、漂っていました」(球界関係者)
昨季、ファームではチーム最多となる380打席をもらった。しかし、打率は2割3分台であり、一軍合流もキャンプ終盤になってしまった。
「今年に懸ける思いが強かったのだと思います。一軍合流が遅れたのはコロナ感染によるものですが、今までの平沢なら、この時点で精神的に折れてしまいました」(前出・同)
高校時代から“スター選手”だった。プロでレギュラー定着が果たせなかった理由として、天才選手にありがちな危機意識の欠落を指摘する声も聞かれたが、本当にそうだろうか。近年の春季キャンプ、オープン戦中のチームを見てきたが、練習量はむしろ多い方である。
キャンプ地・石垣島には先乗りし、室内練習場でバットを振り、オープン戦の移動中も空きスペースを見つけて「特守」を志願していた。こうした努力が報われたのではないだろうか。
もっとも、二遊間には中村奨吾、藤岡裕大、エチェバリアなどがいて、“即レギュラー奪取”とはいかないだろう。
「井口監督から平沢の名前が出ることも多くなりました。三塁、外野も守れますし、オープン戦で結果を出してきたので、なんとかしてやりたいと思っているはず」(プロ野球解説者)
ここまでの打撃成績は、打率3割6分8厘。オープン戦の規定打席数には到達していないが、「3年ぶりの開幕一軍」は間違いなさそうだ。
平沢の放つ打球には“伸び”がある。3月5日のソフトバンク戦で放ったフェンス直撃の二塁打だが、中堅手は目測を見誤り、打球を追うのが遅れた。
事前情報ではあるが、18日は巨人のポランコ、ウォーカーの両外野手も守備に入るという。佐々木の快速球にきりきり舞いさせられた後、平沢の打球にも驚くのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)