しかし、コロナはいまだ収束したとは言えず、その最中に府知事と市長が揃って海外視察に出かける行動には批判が集まっている。
>>吉村知事、ワクチン“エア接種”疑惑に反論「個人情報にぼかし入れた」写真加工に疑問と同情の声も<<
政治家の海外視察は、その豪遊ぶりが批判を集めやすい。国際政治学者の舛添要一氏は東京都知事時代に、豪華な海外視察を繰り返し批判を受けた。2015年10月~11月にフランスのパリとイギリスのロンドンを訪れた海外出張の費用は、舛添氏や都職員ら20人で5042万円に上った。また、2016年4月にアメリカのロサンゼルスとニューヨークを訪れた時は、16人で3413万円を使用。いずれも一泊14~15万円のホテルを利用したと伝えられている。さらに、舛添氏は飛行機はファーストクラス、空港で貴賓室借り上げなども報じられている。この2か月後に舛添氏は政治資金の公私混同疑惑が巻き起こり、辞任に追い込まれる。
そんな舛添氏よりも、より公私混同の海外視察を都知事時代に繰り返したのが、2月に亡くなった石原慎太郎氏だ。海外視察と言えば、何かしらの大義名分や目的が掲げられるものだが、石原氏の場合は個人的に思い入れの強い場所が選ばれており、観光や娯楽の要素が強いとされる。2001年6月には南米エグアドルを訪れた際には、太平洋上のガラパゴス諸島にも渡り、高級ホテル並の設備を備える大型クルーズ船を利用したという。石原氏は1泊52万4千円の最高級の部屋に宿泊したようだ。
石原氏や舛添氏に比べれば、吉村、松井両氏の視察旅行はまだささやかなものと言えるかもしれない。